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オズのアン王女
第十二幕その七

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「美味い」
「そうですか」
「これはかなりいいな」
「美味しいですよね」
「新鮮な卵でないと無理そうだが」
 それでもというのです。
「これもまた美味い」
「はい、ですからよかったら」
「これからもだな」
「召し上がられて下さい」
「アレルギーにならないならな」 
 それならと答えたカリフ王でした。
「これからも食べよう」
「それじゃあ」
「さて、卵かけ御飯まで食べるとだ」
 いよいよという口調で言ったカリフ王でした。
「あの林檎を食べるか」
「そうしてね」
 グリンダはカリフ王にパンを食べつつ言いました。
「是非」
「うむ、それではな」
「食べてね」
 そうしてというのです。
「本当にすぐにわかるから」
「アレルギーが出ないのだな」
「そうよ、ノーム族の卵アレルギーは大体食べてすぐ、遅くとも一時間位で出るわね」
「それ位だな」
「それで出なかったらね」
 林檎を食べた後で、です。
「大丈夫よ」
「うむ、ではすぐに食べよう」
 カリフ王は卵かけ御飯をにこにことして食べます、そうしてからです。
 その五色の林檎、皮はそのままで芯から切り取って六つに分けられたそれを一切れずつ食べます。それがカリフ王のデザートで。
 食後一時間の間皆と談笑しつつ様子を見ていましたが。
 何もありませんでした、湿疹等の身体の異常は出ませんでした。それで皆に笑顔でこう言いました。
「この通りだ」
「はい、すぐに出なくて」
「大丈夫ーーでしたーーね」
 大尉とチクタクも見て応えます。
「よかったですね」
「これでーーノーム族もーーこれからーーは」
「うむ、卵を食べられる」
 笑顔でです、カリフ王は二人に答えました。
「我々は卵を克服したのだ」
「そうなったわね、そしてね」
 グリンダは小躍りせんばかりになっているカリフ王に言いました。
「これからね」
「うむ、林檎をだな」
「増やすわ」
「種を蒔いてか」
「その種に魔法をかけてね」
「一気に木にしてか」
「その林檎の木からまた実を取って」
 そうしてというのです。
「その実の種を蒔く」
「それを続けると」
「あっという間に増えるわ」
 その林檎がというのです。
「そうなるわ」
「そうだな」
「そしてその林檎と種を」
 その二つをというのです。
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