第56話『適応』
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「・・・よし。それじゃあドキドキの結果発表と参りますか」
結月の魔法の事は既に皆に知らせてある。後はそれがどのようなモノかを調べるだけなのだ。
「はーい結果は如何に・・・って、は!?」
突如、部長が叫ぶ。どうやら、結月の結果に驚いているようだ。やはり、魔法の本場である異世界産だから、何かしら凄いのだろうか。
「三浦 結月、スキル名【白鬼】、レベル5…!?」
「「「えぇっ!?」」」
結月以外の全ての部員が、驚きの声を上げた。
それもそのはず、レベル5の魔術師というのは日本中でも数えられるほどしかいないからだ。
当の結月はその凄さがわかっておらず、ただただ首を傾げていた。
「魔術教えてどころか、教えて欲しいくらいだ…」
「三浦、アンタ凄い娘連れてきたわね」
「は、はい……」
レベル5というのは、正直予想外。普通に考えて、晴登よりも数倍強い能力だ。
とはいえ、異世界であまり凄さを感じなかったのは、結月の求める通り、練度が足りないからなのだろう。
「・・・あ、そうだ。せっかくのレベル5なんだ。どうだ、魔術部に入らないか?」
「え?」
ここぞとばかりの唐突な部長の勧誘に、結月は目を丸くする。何を言っているのか理解できていない表情だ。
尤も、部活についての説明を微塵も結月にしていない訳なのだが。
少し説明をしないと・・・
「結月、部活っていうのはな──」
「ハルトは入ってるの?」
「…え?」
「マジュツブっていうのに」
「う、うん」
「ならボクも入る」
「即決!?」
自覚したくはないが、またも晴登の影響力だろう。
余りの早さに、部長らも驚きを隠しきれていない。
魔術部は『怪しい部活ランキング』で、間違いなくトップ3には入る。そんな部活に即決で入るのは、命知らずと言っても過言ではない。
「晴登と一緒なら、ボクはどこでも良いよ」
「だから、そういうのを自重しろって……」
「・・・結構重症ね」ボソッ
「三浦のどこに惹かれたのか詳しく訊きたい」ボソッ
なんやかんやで謎が深まる魔術部に、新たに一人の部員が加わった。
* * * * * * * * * *
「さて・・・困った」
「何が?」
帰路の途中、晴登はため息をついた。
心配になった結月は理由を問う。
「呑気で良いな。入学した以上、結月もテストを受けなきゃいけないんだぞ?」
「そもそもテストって何?」
「あ、そこからか……」
晴登は結月に軽く説明を行う。彼女は頷いて話を聞いていたが、ある
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