外伝
外伝《絶剣の弟子》I〜rising hope〜(外伝最終話)
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いたクエストだ」
技術面ではシーフクラスのようなことを教えられつつも、別に盾剣士をやめた訳ではない。装備の改修も最低限だけで方向性は最初と同じだ。
最初の頃、リズベットさんに勧められた盾を作るのに必要な素材をドロップするモンスターは尋常ならざる強さで討伐実績も数える程しか無いという。
その為、今回ばかりはオラトリオ・オーケストラの攻略に便乗してその素材を狙うことになっていた。
「んじゃ、そろそろ俺も落ちるわ。気を付けて帰れよー」
「あはは。リオさんもお気を付けて」
ギルドの支部でログアウトするリオさんと別れて、俺は何時も利用している宿に入ると、アイテムの整理もそこそこにベッドに腰掛ける。このまま寝落ちをしても良いが、生憎夕飯の洗い物がそのままなので、寝る前にしておきたかった。
ログアウト処理が終わり、仮想世界とは違う重力の感覚に体を慣らすとアミュスフィアを取って、椅子から立ち上がった。
部屋は少し前から様変わりしてして、一人暮らしを始めた頃の殺風景さは無くなった。棚は明るい色のものに買い替え、その上には小物が色々と飾ってある。窓際には観葉植物が飾られ、小さな花が咲いていた。
「……ああ、そうだ」
あまり水やりをしなくて良い品種の筈だが、確か最後にしたのは一昨日の夜だった。プランターの横に置いてある小さなジョウロに水を入れ、ついでに洗い物を終わらせてから少しずつ鉢の中に水を注いでやる。自分でも意外なことだったが、案外植物を育てるということは楽しく感じる。余裕が出来たらミニ家庭菜セット的なものでも買ってみようかと考えつつ、歯を磨いて寝る支度をする。
寝坊しないようアラームをきっちりセットして横になると、そのまま沈むように眠りへ落ちていった。
「なあ南」
「うん?」
土曜日。今日の夕方は例のクエストに行く予定になっている。長丁場になっても良いように、半日授業が終わると買い物を早めに済ませる為に急いで帰り支度をしていると、近くの席のクラスメイトが話しかけて来た。
最近になってよく話すようになって、最近ではVRゲームにも興味を示しているという。いつか一緒に遊べれば楽しいだろう。
「お前、少し前にゲームの中でたちの悪い連中に付け狙われてるって言ってたよな?」
「え……あ、うん」
その内容に少し驚いて小さく頷き肯定する。するとそいつは少し眉を顰めて顔を近づけて来た。
「多分、それっぽい掲示板見つけたんだけどな。一部の奴らがお前のリアルを割ろうとしてるって」
「な??……いや、でも俺……ゲームの中で個人情報を喋ったりしてないぞ?」
「ああ。見てる限り大した進捗はない。けど、お前がよくゲーム内つるんでる人たちに、"あのゲームの生還者達"が
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