外伝
外伝《絶剣の弟子》I〜rising hope〜(外伝最終話)
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多いとか。
「まあ、群がってくるPKにいきなり1人で対処しろって言う程鬼じゃねぇ。相応の戦い方くらい教えてやんよ」
その方法とはシンプルで、簡単に言えば罠に嵌めて敵を混乱させ、その場から素早く離脱するというものだ。PKに対して馬鹿正直に真っ向から戦う必要は無い、と教えてくれたハンニャさんは言った。
罠を張って誘い込み、少人数ずつ確実に仕留めていけばこちらの損耗を抑えつつ相手の数を減らすことが出来る。
その教えの通り、ここ数日ALOで狩りをする時は、近辺に予め罠を張った上で索敵スキルの警戒網を敷いている。
装備も当初予定していた武器を、そこから発せられる音やエフェクトが減衰する改造を施し、金属系の装備をなるべく減らして隠蔽率を上げたりと、盾剣士でありながらシーフクラスに少し寄った装備と、技術指導も受けたりした。
まあ、そこまで自分の戦闘スタイルに強い拘りはないし、手札が増えることは良いことだと思うので自然に順応出来た。
流石に街中で襲われることはないので、アルンに着くと少し緊張を解く。アルヴヘイムは丁度日の出の時刻となり、東側から太陽が昇って来るのが見えた。
「……現実じゃもう夜更けなんだけどね」
欠伸を噛み殺し、宿への道を歩いていく。周りでもそろそろお開きという感じでプレイヤーたちが挨拶を交わしていた。
「ん……?」
「お?」
中央広場へと続く街道をとぼとぼと歩いていると知り合いが立っていた。2メートル近い長身、布中心の軽装防具と、対称的にプレイヤーのアバターほどの刃幅がありそうな巨剣を背負った人物は兜を取り、手を挙げながらこちらに寄って来る。
兜の下は爽やかなイケメンだ。これがアバターの補正ではなくリアルフェイスだと言うのだから世の中の理不尽が伺える。
「リオさん。こんばんは」
「おう。今帰りか」
「はい……例のPKに途中で追われて逃げ切るのに手間がかかりましたけど」
「そりゃ災難だったな……」
同情するように肩をポンと叩いて来るが、リオさんは筋力強化系にスキル振っている脳筋ビルド。その衝撃は普通に立っているだけで困難だ。
「なんかもう、慣れましたけどね……」
「慣れちゃいけねぇよなぁ……まあ、今週中には終わるっぽいし、後少しの辛抱だ」
「ほんとですか」
「ああ。全く絡まれなくなるとは言わねぇが、今よりたち悪く付け狙われるってことはなくなるはずだ」
それでもホッと胸を撫で下ろしていると、目の前にメッセージウインドウが開かれる。宛先は目の前にいるリオさんだ。
「例のクエスト、その日で決まったんだが。都合、大丈夫か?」
「あ、はい。大丈夫です。すみません、わざわざ調整して貰って」
「なに、良いってことよ。近々うちのギルドでも攻略しようって言って
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