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外伝
外伝《絶剣の弟子》I〜rising hope〜(外伝最終話)
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はない。
 では何だろうか。何をこの瞬間に得ることが出来るというのだろうか。

 剣を振るい、敵を退ける。丁度片手剣の熟練度が域値に達したのか、新しいソードスキルを習得した、というメッセージが目の前に出る。

「……そういう、ことか?」

 その時、ずっと沈黙を続けていたブライトレッジが咆哮を上げ、背中の火山から火山弾を放つ。先程までのものより大きい塊がやまなりに迫って来ていた。このままでは防ぐことも、避けることもままならないだろう。

(強く、望む……!)

 望むのは守る力。そのための力を…………??

 ーーーならば君にはコレが相応しい。

 低く静かな声。それが耳元で聞こえたような気がした。

【エクストラスキル《神聖剣》を習得しました】

「……ッ??」

 それがどんなものなのか、考える余裕は無かった。盾を突き出し、火山弾を迎え撃つ。盾が淡い緑色のエフェクトを発し、それが膜となって前方に広がって火山弾を受け止めた。

「くっ……ぉ……??」

 押し込もうとするそれを全力で押し返す。脳が焼き切りれるのではないかと思うほど、必死に前へ前へと信号を送り、抗った。

「っ、だぁっ??」

 勢いを完全に受け切ったところで、火山弾を弾く。押し返された火山弾はそのままブライトレッジに向かって跳ね返り、炸裂した。

「グゴオオオオォォォ………」

 巨剣に刺し貫かれたまま、顔面が砕かれ弱り切った声を上げる様子は後ひと押しだと言うことを表しているように思える。しかし、他人のテイムモンスターを倒したところで素材が手に入る訳でもなく、倒すことに大した意味はない。

「ライト!」
「カイト、さん……」

 周囲に居た《商会同盟》のプレイヤーたちはいつの間にか火の粉となって散り、周囲ではレイドメンバーたちの蘇生が始まっていた。

「さっきのは……」
「あ、えっと……」

 ステータスウィンドウを開き、スキル欄を見てみる。通常のスキルスロットとは別に設けられるエクストラスキルの欄には【神聖剣】の文字が確かにあった。

「この《神聖剣》ってスキルの技だと思うんですけど」
「…………そう、か。まあ、そんなこともあるか」
「え?」
「ああ、いや。今回は助かった、感謝する」
「いえそんな……」

 それっきり、カイトさんは肩を落としてレイドメンバーの元へ戻ってしまった。
 掛ける言葉が見つからず、収束した戦場をあてもなく歩いていると、そわそわしているユウキさんとばったり会う。

「ユウキさん?」
「あ、ライト……えっと」
「どうかしました?」
「……お願い!すごい勝手だけど、ボクのアバターが消えるまで見ててくれる??」
「え……あ、はい。お気をつけて」
「ありが
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