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外伝
外伝《絶剣の弟子》I〜rising hope〜(外伝最終話)
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不可視の速度のソードスキルさえも、まるでその動きを逆手を取るように反撃を打ち込む。その背にある大太刀すら抜かず、徒手だけで数多のプレイヤーたちを圧倒していた。

「ユウキさん……」
「うん、行こっか」

 先ほど飲んだポーションによる回復状況は50%程。もう十分に戦える。
 見ているだけなんて出来ない。ここで見ているということは、さっきの自分の決意に嘘を吐くことになる。それだけは、もう2度とごめんだ。
 あの人、レイさんもきっと、自分と同じで1人じゃ何も出来ないタイプだ。強がって見栄を張って、でも心の中で弱音を吐いてる気がする。今だって暴れまわってるが、さっきのあの表情、あまり具合が良く無さそうだった。きっとフルダイブも禁止されているのではないだろうか。

「はっ!」
「やあっ!」

 レイさんに引き付けられた注意の外からユウキさんと奇襲を敢行する。 レイさんはこちらをチラッと見ると、少し呆れたような顔をしつつも、ニヤリと笑った。そして、抜刀。

「悪いが急いでるんだ。また今度来てくれよ」

 言うなり、目の前のプレイヤーを真っ二つにする。その次も、また次も一撃一殺で仕留め、あるいは無力化する。

(剣筋が、見えない??)

 あのユウキさんのものですら、薄っすらと見えた筈なのにレイさんの剣筋は全く見えなかった。
 いや、それだけではなく全てのスピードが明らかに人外じみていた。両手武器を使いながら、あのスピードは明らかにおかしい。

「……っ!」

 あらかた仕留め終わったレイさんが突如苦悶の表情を浮かべ、その動きが電池が切れたように停止する。それを好機と感じたのか、残りのプレイヤーたちは集中攻撃を仕掛けて来た。

「レイ……!」
「レイさん!」

 それに割り込んで迎撃する。両手斧の重量のある攻撃を凌ぎながら、チラリとレイさんを見る。なんとか飛んではいるが、体に力が入っていない様子で先程までの頼もしさは鱗片もない。

「大丈夫ですか??」
「ああ…………いや、そうでもないな……思ったより、時間が無かったみたいだ」

 死にはしないけどな、と。冗談交じりに微笑む。

「ライト、もし、お前が力を望むならば……それを、この世界の誰よりも強く、確かに切望するならば……必ず応えは返ってくる」
「え?」
「強く願え、望め。そうすればーーー」

 言葉は最後まで続かず、最後に俺の背中をドン、と叩くと、レイさんのアバターは力を失って墜落して行く。

「ちょ、レイさん……??」

 目の前の敵に専念せざるを得ず、それを追う余裕は無い。

(強く、望む……)

 何を?
 この状況を打破する力を。
 力とは?
 技術や経験?

 どれもこれも一朝一夕でどうにかなるもので
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