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外伝
外伝《絶剣の弟子》I〜rising hope〜(外伝最終話)
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頭上を熱線と魔法が駆けて行き、上空にいたプレイヤーたちの一部が蒸発する。
 目の前のブライトレッジは背中に巨大な赤褐色の大剣が刺さり、地面へと縫い付けられていた。

「……何が??」
「あ…………」

 まだ生きていることを不思議に思いつつ、状況を把握しようと忙しなく辺りを見回す。対照的に、ユウキさんはある一点を見つめていた。
 まず、あの巨剣の柄部分にひらりと降り立ったのは俺になんちゃって暗殺術を教えてくれた、ハンニャさん。上空を見れば、巨龍・レックスを駆ってプレイヤーたちを蹂躙しているヴィレッタさん。

「せえああああっ??」

 隕石のような落下速度でブライトレッジの角に衝突しゴキン、とそれを切り落としたのは黒衣のスプリガン、黒と黄金の剣を両手に携えたキリトさん。そして、

「悪い、遅くなった」

 白髪……と言っても老いたような白さではなく、雪のような鮮やかな白髪、少しだけ浅黒い肌に紅の瞳。黒を基調とした革装備とズボンに、血のように赤いマントという出で立ちをした、初見の青年がユウキさんの目の前に降り立ち、優しく抱擁する。

「レイ、さん?」
「ライト、だな?しばらくぶりだな」

 そう言う間も、胸に抱いたユウキさんの頭を優しく撫で続ける。

「レイ……」
「アレだ。うん、時間が無いからお小言は帰ったから、な?」
「ばか……」
「ごめんって」

 レイさんはふわっと離れると今度は俺に向かって何かを言いかけて、言葉を探すように口籠る。

「あー、なんだ。急に出て来て色々言って悪いが、しばらくユウキのこと、よろしくな」
「あ、はい……あのーーー」
「ごめんな、本当に時間ないから。また今度」

 《商業連合》はブライトレッジが戦闘不能になったと見るや、それをあっさり放棄して直接こちらを叩きに来る。後方では20人近いメイジが再び魔法の詠唱を始めている。

「やれやれ……こちとら病み上がりなんだ、少しは労ってくれよ」

 こちらに殺到する剣士たち、それから後方のメイジたちを睥睨しながら、レイさんはなおも自然体だった。

「大丈夫」
「え?」

 ユウキさんはレイさんの背に信頼を込めた目を向けながら、呟くように言った。

「レイは、強いから」

 それが聞こえたのか、レイさんはピクッと肩を揺らし、多分恥ずかしさを紛らわす為に?を掻くと、軽く身を屈めた。
 刹那、空気が張り詰める。レイドボスを目の前にしたような、空気が焦げ付く感覚。

「ふっ……!」

 殺到して来るプレイヤーたちに向かって飛び出したレイさんは勢いそのままに集団へ突っ込んだ。怒号が飛び交い、時折人が弾け飛んでは儚い炎へと変えられて行くその様子は、映画のワンシーンのようで。振り下ろされた剣はいなされ、
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