外伝
外伝《絶剣の弟子》I〜rising hope〜(外伝最終話)
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のプレイヤーはリメインライトに変わって俺の道を開ける。
次の1歩で次のプレイヤーを殺傷圏内に捉え、剣を横に薙いで首を斬りとばす。残りは1人だ。
最後の1人は何かを感じたのか、徐に後ろを振り向く。そこにあるのは後方に居た面々の死亡を表すリメインライト。即座に状況を悟ったプレイヤーは声を上げようとするが、それは叶わなかった。
後ろから取り付き口を塞ぐと、素早く顎の下から脳天へ剣を刺し込む。相手は痺れるような不快な感覚に構わず、声を上げるが篭ったような声は遠くへは響かなかった。
「……よし」
剣を鞘に納めると、索敵スキルを発動させてもう1つの小集団の位置を確認する。運の良いことに、こちらも予定位置に侵入していた。
ポーチから赤いガラス玉を取り出し、空に放り投げると再び抜刀してそれを斬りつけ、砕く。直後、小集団を察知した付近の空間から爆轟が響き、その反応が消失する。
木々の周りを取り囲んでいたPKプレイヤーたちは驚き、状況を確認する為現場に集まっていく。包囲は完全に解かれた。
「……逃げよ」
半数近くは葬ったし、これ以上の直接迎撃は危険だ。姿を現さなかった指揮官は気になるが、ここはもう逃げ切れるだろう。
爆発地点と逆に林を飛び出すと、首都のアルン向けて全力で翔んで行く。途中、高度を上げながら再びポーチから赤いガラス玉を取り出すと、今度は自然に落下させる。
数秒後、一際大きな爆音が後方で轟いた。
オフ会に行ってから今日で1週間。今日まで代わる代わる色々な人に修行に付き合って貰った。最初の頃とは違って、相手の攻撃に全く反応出来ないということは無くなったし、剣筋を目で追えるレベルにはなった。モンスターを相手取っても、感覚でどの程度の相手なのか、どんな動きや攻撃があるのかが分かるようになって来た。
それは、仮想世界に慣れて来たことに加えて、長いこと胸の内にあった後悔が少なからず取り払われたことによって、余裕が生まれたことに起因すると考えている。小学5年生のあの時からこの間まで、何をするにしても頭の片隅に、拭っても拭いきれない汚れのようにあった後悔が薄れたことは俺自身を驚くほど変えたのだ。
余裕が出来たことからまず最初に決めたのは、自分が巻き込まれているトラブルを解決することだった。《狩猟大会》というPKたちの非公式の催しについては昨日、ALOの運営から正式に「注意喚起」が出された。黙認とも言えなくもない対応に俺は驚いたが、カイトさんたちが言うにはこういった対応は珍しくないのだそうだ。プレイヤー間の問題に対して運営が裁量することは基本的に無く、プレイヤー間で解決することが推奨されている。解決の方法として戦闘による解決が示されていて、事実その方法が採られることが
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