暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ガンダムW
1676話
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「あら、見て分かりませんか? 私も軍人ですし、シルビアも軍人です。であれば、こうして身体を鍛える必要があるのは当然かと」
「……まぁ、そう言うなら別にいいけど」

 俺が許容した事で、安心したのだろう。サリィは笑みを浮かべてシルビアと共に、少し離れた場所に向かう。
 今でこそ連合軍の軍人として俺達と一緒に行動しているシルビアだが、本人は元々軍人という訳ではない。
 それこそ、身体を鍛えた事も……健康の為という意味での運動ならともかく、本格的に身体を鍛えた事はなかった筈だ。
 そう考えれば、俺達と一緒に行動をする上で身体を鍛えるというのは決して意味がない訳でもない。
 サリィを教官役として考えれば、そこまでおかしな事ではないか。

「アクセル! こっちも始めるぞ!」
「あいよ。けど、今日は青龍刀を持ってこなくてもいいのか?」

 いつもは得意の青龍刀を使って俺と模擬戦をしている五飛だけだったが、今日はその手に青龍刀が握られていない。
 素手で、俺の前にいるのだ。

「ふんっ、俺がいつも武器に頼っていると思われるのも癪だからな。それに、たまにはこうして素手で戦えるようにしておくのも必要な事だ。……行くぞ!」

 その言葉と共に、五飛は素早く俺との距離を詰めてくる。
 これまでの経験から、俺に戦いの主導権を渡すのは不味いと、そう判断したのだろう。
 それは決して間違っていない。いや、寧ろ正しいと言えるだろう。
 だが……そんな五飛にとって最大の過ちは、純粋な俺との技量差だろう。
 距離を詰め、掌底を放つ五飛。
 それを首を傾げるだけで回避し、伸びた五飛の手首を握る。
 そこにある力の流れを俺の思い通りにコントロールし……次の瞬間、五飛は空を飛ぶ。

「ちぃっ!」

 投げ飛ばされたのが、五飛も理解したのだろう。すぐに空中で身体を捻って床に着地し、態勢を整える。
 それを追撃しても良かったのだが、今は大人しく待つ。

「まだだぁっ!」

 そんな俺の態度が五飛にとっては許せなかったのか、それとも単純にまだ戦えると判断しただけなのか。
 ともあれ、五飛は先程よりも更に速度を増してこちらとの間合いを詰めてくる。
 身体を左右に動かし、視線も動かして自分がどう動くかを悟らせないようにフェイントを織り交ぜてくる。
 その様子は、それなりに巧みであると言ってもいい。
 ただ、フェイントというのはあくまでも実力が下の相手か……それとも自分と近い技量の相手にこそ有効なものでしかない。
 ぶっちゃけ、俺の場合……いや、ホワイトスターの方にいるシャドウミラーのメンバーであれば、フェイントであると確認してから対処しても、十分に間に合ったりする。
 綾子も半サーヴァントである以上、同じような真似が出来るだろう。

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