第16話
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)である事を考えるとお前の言う通り、奴を造った組織に裏工作や破壊工作を行うエージェントとして教育されていた可能性は非常に高いだろう。………奴の出自を知ってもなお、奴を引き取りたいと思えるのか?」
「―――はい。彼女が何者かは俺にとっては些細な事です。それにそう言う特殊な出自の人物は既に俺の傍にいて、その人も俺達と同じ”人”である事がよくわかっていますので……」
(ふふふ、ご主人様の傍にいる”特殊な出自の人物”ですか。)
(一体誰の事かしらね♪)
(ア、アハハ……間違いなく合成魔物である私の事でしょうね。)
(と言うか、広い意味で考えたらメサイアに限らず私達もその”特殊な出自の人物”になるのだけどね……)
リウイの問いかけに対して答えたリィンの答えを聞いたリザイラとベルフェゴールはからかいの表情でメサイアに念話し、メサイアとアイドスはそれぞれ苦笑していた。
「うふふ、確かに合成魔物のメサイアお姉さんを受け入れているのだから、人造人間なんて”今更”よね♪」
そして小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの指摘を聞いたその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「レン、その言い方はメサイアさんに失礼にあたるから止めなさい。」
「はーい。」
我に返ったプリネはレンに注意し
「……リィンさん。彼女を引き取りたいと思ったのは、もしかして幼いながらも既に裏組織の使い手として育て上げられた彼女を”憐れ”と感じたからですか?」
「確かに彼女を”憐れ”と思った事は無いとはいえませんが、彼女を引き取りたいと思った一番の理由はカシウス准将の教えによるものです。」
「え……どうしてそこにカシウスさんの名前が出るのですか?」
イリーナの問いかけに対して答えたリィンの答えを聞いたツーヤは戸惑いの表情でリィンに訊ねた。
「……かつて陛下達がカシウス准将に俺を鍛えてもらうように依頼して頂き、カシウス准将が俺を鍛えていた時にカシウス准将から剣以外で”絆”について教えて貰いました。『人は様々なものに影響を受けながら生きていく存在だ。逆に生きているだけで様々なものに影響を与えていく。それこそが『縁』であり―――『縁』は深まれば『絆』となる。そして、一度結ばれた『絆』は決して途切れることがないものだ。遠く離れようと、立場を違えようと何らかの形で存在し続ける……』、と。だから彼女―――アルティナ・オライオンの件も俺の”縁”と思い、彼女を引き取ろうと思ったのです。」
「兄様………」
「フッ、まさかここでもエステル・ブライトや”剣聖”の意志が働くとはな。」
「フフ、さすがセリカ様をも救ったエステルさんの御父上……と言った所でしょうか
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