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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0016話『暖が無くなる日』
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イタリア艦のみんなも特に反対はせずに済んだという。
やっぱりお姉さん気質のザラが中心になって五人を説得したという。
さすが第二次改装をしてさらにお姉さん度が磨きが増した大天使ザラエル…。
とにかく、

「アイオワにサラトガ、それにウォースパイトも初雪と望月を見習って炬燵から出たらどうだい?」
「うう…アドミラルはひどいネ。こんなグレートなものを仕舞うなんて…」
「はい。サラももう少し入っていたいです…。こんなものはアメリカにはありませんから」
「アドミラル…。酷いわ。どうして…? ホワイ…?」

三人のその切なそうな眼差しに少し負けそうになってしまう。
ただでさえ三人とも美人なのにそれで涙目で責めてくる視線を浴びせられるとなにかと来るものがある。
だけどここは心を鬼にして、

「それでももう仕舞わないとさっきも言ったようにこれからだんだんと雨が多く降るようになるんだから今のうちに干しておかないとまた冬が来たら使えなくなってしまうぞ。それでもいいのかい?」

そう言い聞かせる。
そしてようやく観念をしたのだろう。
三人ものそのそと炬燵から這い出してきた。

「これでよし…。それじゃまた冬に使えるように感謝を込めて炬燵布団を洗濯しようか」
『はーい』

それで今鎮守府にいる艦娘全員で冬の布団などを一斉に洗濯してしまおうという試みをしようという話にした。
鳳翔さんや龍鳳などといった家事清掃がうまい艦娘なども集めて盛大に行おう。
そう思って思い切ってアイオワ達が入っていた炬燵の布団を捲ってみた。
だけどそこで意外な人物がまだ炬燵の中にいた。

「…なんにゃ? 多摩の眠りを妨げるのは誰にゃ…?」
「多摩、お前も入っていたのか…」
「うん…。寒かったから入っていたにゃ」
「あれか? 猫は炬燵で丸くなるっていう…」
「多摩は猫じゃないにゃ…」

そんな言い訳をしていたがもういないよな…?
そんな思いを抱きながらも一応全部の炬燵を確認した。
もし酸欠になっていたらシャレにならないからな。

「多摩、お前の部屋の布団も干してしまおうな。乾かしてふかふかになった布団で眠ると温かいぞ?」
「…ん、頑張るにゃ!」
「その意気だ」

それを聞いていたのだろう初雪と望月もやる気を出していたからよかったよかった。
それで一日かけて冬物は大体は仕舞えたと思うからこれも環境の変化の一環だなと一人ごちた。



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