暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十七話 少女たちの決意 前編
[1/6]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
――――小伊坂 黒鐘とケイジ・カグラの戦闘が始まる少し前のこと。
高町 なのは、ユーノ・スクライア、逢沢 雪鳴、逢沢 柚那の四名は黒鐘とは別の場所へ向かっていた。
アースラの管理者、艦長に会うために艦長がいる部屋へ向かう。
案内は艦長の息子であるクロノ・ハラオウンがしてくれており、彼もまた黒鐘と様々な事件を解決させてきた魔導師だ。
「さて、移動しながらでいいから、こちらからいくつか質問させてもらっていいかな?」
戦闘を歩き、背を向けながらクロノは四人に声をかける。
四人それぞれ了承を示す返事をしたのを確認すると、淡々とした口調で質問を始める。
「四人は、黒鐘がなぜ地球にきたのか聴いているか?」
「えっと……」
「僕となのはは家の事情で引っ越してきたって聴いてるけど?」
「私とお姉ちゃんは管理局の人から休暇をもらったからって聴いてます」
「働きすぎ。 だから、休ませないとってことのはず」
クロノの問いに、二つの答えが返ってきた。
なのはとユーノの回答、逢沢姉妹の回答は、両者共に本人から聞いたことにも関わらず違う答え。
クロノは驚いたが、一番驚いていたのは高町 なのはだった。
「え、海外からって来たんじゃなくて!?」
「海外……海より外から来てると言う意味では間違いじゃないと思うけど」
なのはの隣を歩く柚那がフォローを入れるが、柚那はなぜ互いの理解が違うのか……その理由に察しがついていた。
(きっと先輩、高町さんに背負わせたくなかったんだ)
自分が管理局で働いていることを詳しく話せば、なのはは必ず『なんで?』と問う。
――――なんで働いてるんですか?
自分たちはまだ働く年齢じゃない。
まだ学校に通って勉強する年齢だ。
子供の自分たちが働かなくても、大人である両親が支えてくれる。
子供は学校、親は職場。
そんな常識があるからこそ、黒鐘が管理局で働いていることに違和感を抱く。
そして、もしかしたら気づくかも知れない。
黒鐘は両親を失っていると言う真実を。
黒鐘が隠していることに、気づいてしまうかもしれない。
そしてそれに気づいたなのはは、きっと同情や哀れみのような特別な感情を抱いて接してくる。
それが黒鐘にとって避けたいことだったのだろう……と、柚那は予測した。
それを裏付けるように、黒鐘は自分の身に起こったことを逢沢姉妹に説明せずに五年間を過ごしていた。
きっと再会しなかったら墓まで持っていったことだろう。
彼はそう言う人なのだ。
自分の抱えるものの重さに気づいていて、けれど、それを誰かに肩代わりさせようだ
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ