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レーヴァティン
第五話 神殿でその一

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                 第五話  神殿で
 二人はこの日も歩いた、途中何度かモンスターが出て来たが全て倒した、そして昼になって食事の後でだった。
 また歩きつつだ、久志は英雄にこんなことを言った。
「巨人は出て来ないな」
「噂のあの連中はか」
「何か急に出て来るらしいがな」
「そうだよな、出て来ないな」
「たまたまか?」
 首を捻ってだ、久志はこう言った。
「それは」
「そうだろうな、何でも神出鬼没だからな」 
 神父の話からだ、英雄は話した。
「出て来ることもあればだ」
「出ない時もあるか」
「そういうものだろうな」
「そうか、やっぱり出て来たら強いな」
「巨人とくれば強いのが相場だ」
「そうだよな」
「しかしだ」
 幾ら強くてもとだ、英雄は久志に話した。
「強くても俺達に来るのならな」
「戦って勝つしかないか」
「それか逃げるかだ」
「二者択一か」
「負ければやられる」
 つまり命を落とすというのだ。
「そうなる」
「簡単な話だな」
「そうなりたくないならな」
「勝つか逃げるかか」
「どちらかだ」
「死にたくないなら逃げることも大事か」
「とにかく命があってこそだ」
 何はともあれとだ、英雄は久志にこの事実を話した。
「神殿に行くこともそれからもだ」
「無理はするな、か」
「無理をせずに逃げることも大事だ」
「逃げるの前提か?」
「勝てない相手ならな」
 そう認識したならというのだ。
「逃げるぞ、いいな」
「わかった、何か逃げるのは好きじゃないけれどな」
「好き嫌いで死にたいか」
「いや」
 すぐにだ、久志も答えを返した。道は相変わらず左右に森がある道だ。道の広さも殆ど変わっていない。
「そんなので死ぬ趣味はないさ」
「それなら逃げることも大事だ」
「巨人が出て来たらか」
「他にも強いモンスターなりが出て来たらな」
 その場合はというのだ。
「そうするぞ」
「ドラゴンとかだな」
「ドラゴンも出て来る可能性がある」
「今のところ強いモンスターは出て来ないけれどな」
「たまたまかも知れない」
「ここにいないならいいけれどな」
「そうだな、しかし巨人は神出鬼没らしい」
 英雄はまたこのことを話した。
「だから連中は何といってもだ」
「第一に注意しないと駄目だな」
「そうなる」
「そうだな、まあ出て来なかったらいいな」
 久志は自分の望みを話した。
「とりあえずは」
「戦っても倒す自信がないか」
「相手の力もわからないうえに」
「俺達自身もな」
「今は雑魚なら倒せてるさ」
 ならず者やオーク達はというのだ。
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