第百七話 朝御飯の後でその十六
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「そうしたことしても許されるとか」
「余計に悪いわね」
「親父その漫画読んでね」
一冊読んでから焚き火にしてしまった、冬だったので。
「最低な人間しか出ないんだなって言ったよ」
「確かに最低ね」
「しかも食べもののことがわかっていないって」
「インスタント食品とか」
「あと冷凍食品もハウス栽培も」
その漫画で批判していることはだ。
「毎日鼻血行くのならさっさと病院行けとかね」
「鼻血?」
「被爆したらしくて」
漫画の中で本当に言っていた、被爆した元町長さんまで登場していた。
「毎朝鼻血出るとか」
「そこまで酷いのなら」
「病院行けって言ってたよ」
医者としてだ。
「相当な重症だって、あとインスタント商品も冷凍食品もハウス栽培も馬鹿にするなって」
「そうもなの」
「どれも人類が餓えない為の発明で」
しかも偉大な、とまで言っていた。
「ハウス栽培の栄養はどの野菜も季節によって違うから一概には言えないってね」
「そうも言ってたの」
「こんな漫画読んだら馬鹿になるってね」
本気で怒って言っていた。
「お店の中で喚いたりお皿投げたりとか野蛮だって」
「お父さん本当に怒ったのね」
イタワッチさんも言った。
「あの漫画に」
「そうだったよ、確かにあの漫画は」
僕が見てもだ。
「主張はおかしいし出て来る人間は異常に短気で無教養な野蛮人ばかりで」
「そんな人しかなのね」
「下品なね」
こうしたキャラしか出ないのも凄い。
「有り得ない漫画だよ」
「それでなのね」
「あの漫画の登場人物でないと」
それこそだ。
「こうした場所で喚かないよ」
「そこまで野蛮でもないと」
「うん、こうした場所で食べるソフトは美味しいし」
それにとだ、僕はさらに言った。
「美味しくないって思ったらそれまでだよ」
「自分がそう思うだけでよくて」
「お店の前や中で喚くとかね」
何でも原作者自身がそんなことをいつもやっていたらしい、本当なら僕としても絶対に会いたくないし好きになれないタイプだ。
「品性下劣過ぎるよ」
「私もそう思うわ」
「騒いで何になるのか」
「こうした場所でも品性は守って」
「そうしていかないと」
「全くだよ」
こんなことも話しながらだ、僕達は一緒にソフトクリームやアイスクリームを食べた。プールで食べるそれは確かに美味しかった。
第百七話 完
2016・9・9
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