第九話 プラウダ戦を見ます! その4
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を装填!レーナ、W号の側面を取れるようにして!ミーシャ、車両の指揮は任せた!」
「了解」
「……分かった」
「了解!」
「了解しました」
各々に指示を出し、アンナ自身は砲手に専念する。
照準機には廃村とその中を走り回っている三両の戦車が映し出されていた。
「レーナさん出来るだけW号と並走するように走ってください」
「並走ね!了解!」
「リリアさんは隊長にこの事を出来るだけ詳しく説明してください」
「説明は苦手なんだがな……分かった」
「ターニャさんはアーニャさんの指示に従ってください」
「……わかった」
車長となったミーシャが次々と指示を出している中、アンナはじっと照準器を覗きいつでも砲撃できるようにしていた。
「方位十時、距離300にW号、レーナさんW号の動きに合わせて」
「了解!」
「アーニャさん、あとはお願いします」
「わかった!一発あれば十分だ!」
ようやく砲撃の許可が下りた。
W号はフラッグ車を追っており廃村の民家の間から狙われているのに気付いていない。気付いてたとしても無視しフラッグを優先して撃破するだろう。
照準器を覗くアンナの視点では、民家と民家の隙間からほんの一瞬だけ見えるW号を砲撃しようとしている。
自分自身も動いているため行進間射撃になるが、この行進間射撃はごく僅かな人にしかできない熟練の技であり、しかもアンナの状況は並走している目標に民家と民家の隙間を通して命中させなければならないという困難極まりないものなのだ。
しかしアンナは落ち着いていた。正確に言えば落ち着くどころか興奮や歓喜といった類いの感情が渦巻いていた。
この手で『大好きで大切なたった一人の姉』の”仇”を取れる……!
彼女はそのような事を考えながら砲撃のタイミングを計っていた。
W号が同軸機銃を撃ったとき気付いた。
V突がいないことを。
フラッグのT-34が右へ曲がり、W号も追うように曲がった。
W号がこちらに後面を見せた瞬間
引き金を引いた。
アンナには砲弾がゆっくりと見えていた。その砲弾は、まっすぐW号に向かっている。
だがW号の奥にいるT-34が煙に包まれるのが見えてしまった。
砲弾がW号の車体後面に命中したとき、時間の早さが戻った。
《大洗女子学園W号戦車、プラウダ高校フラッグ車、走行不能。よって大洗女子学園の勝利!》
W号戦車とプラウダのフラッグ車であるT-34は高々と白旗をはためかせていた。
観客席では大歓声が巻き起こっていたが、アンナが乗るT-34/85の中はどうだろうか。
ミーシャもレーナもターニャもリリ
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