第九話 プラウダ戦を見ます! その4
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でしょ?撃てる時に撃たないともったいない。だから撃て!」
「了解しました」
瞬間、砲弾が放たれた。砲弾は最後尾を走るルノーB1bisの横に落ち、雪を舞い上げた。
再び無線からカチューシャの声が聞こえてきた。
《誰よ!?砲撃したのは!もったいないから使っちゃダメって言ったでしょ!?》
「ミーシャ、奴ら坂を登るからその時を狙って」
「わかりました」
アンナはカチューシャの問いを無視し指示を出し続けた。
そして大洗女子の車輌が坂を登り始めた。
「まだ……」
中腹に差し掛かった。
「撃て!」
再び砲弾が放たれるがW号戦車と八九式中戦車のちょうど中間に着弾した。
「装填急いで!」
「……完了」
「稜線の向こうに入られたか……レーナそのまま坂を登って。追撃を継続するよ」
「了解!」
アンナの車輌は坂を登り始め、他のプラウダの車輌もそれを追うように続いた。
坂を登りきり大洗女子を再び視界に捕らえたがアンナはあることに気づいた。
「W号とV突がいない……どこに行った?」
アンナは考えた。
大洗女子がこの危機的状況を打開するには何をしなければならないのか、大洗女子の中で最も打撃力のあるW号、V突が何故いないのか。
考え、分かった。大洗が何をしようとしているかを。
アンナはすぐに無線機を取りカチューシャに言った。
「カチューシャ隊長!奴らフラッグを叩く気です!私はこれからW号、V突を追撃します!以上通信終わり!」
《ちょっとアーニャ!そんなのはどうでもいいから敵のフラッグ車を追いなさい!》
「リリア、通信を切って」
「了解」
通信手のリリアは命令通り隊長車との通信を切った。
カチューシャが激怒しているだろうが今のアンナにはどうでもよかった。
カチューシャの言う通り通常なら敵のフラッグ車を追撃していただろう。しかし相手が通常の敵ではないからアンナは命令を無視し、W号、V突……とりわけW号戦車を警戒していた。
「リリア、フラッグに繋いで」
「…繋いだよ」
「こちらアンナ車、フラッグ応答せよ」
何度か呼びかけるとやっとフラッグから応答が来た。
《こちらフラッグ、どうしましたぁ?》
「なぜ一回で応答しない?」
《すみませぇん…外でお茶を飲んでましてぇ……》
「そちらに敵が二両向かっているぞ。さっさと戦闘に備えろ」
《て、敵ですか!?わ、わかりましたぁ!》
アンナは通信を切り、違う車輌に通信を繋げた。
「こちらアンナ車、KV-2応答せよ」
《こちらKV-2.どうしたべか?》
「そちらに敵が二両向かっている。戦闘準備をしろ。私たちも向っている」
《わかっただぁ!》
「それとニーナに代わってくれ
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