第九話 プラウダ戦を見ます! その4
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三時間の休戦が終わり、試合が再開された。
その直後通信機から声が聞こえてきた。
《こっちぃ!?バカじゃないの?あえて分厚いところに来るなんて!》
それはカチューシャの叫びだった。
教会から出てきた大洗女子は包囲網にあえて緩くされた部分を無視し、最も分厚い部分に向けて突進してきていた。
カチューシャの作戦とは全く違う行動に多少動揺したもののすぐに命じた。
《返り討ちよ!》
その命令が聞こえた瞬間、アンナは叫んだ。
「撃てっ!」
砲手のミーシャが引き金を引き砲弾が放たれた。
砲弾は先頭を走っているチェコスロバキアの38tに向かって飛んで行ったが寸前のところで躱された。
そしてその38tは隣に鎮座していたT-34/85にすれ違いざまに砲撃、撃破して走り去っていった。
それに続くように大洗の車輌は包囲網を突破していった。
《後続何が何でも阻止!》
またしてもカチューシャの叫び声が聞こえた。
「よくかわせたな」
「驚きですね…しかもあの速度で当てるなんて、まるで人が変わったようですね」
通信手のリリアと砲手のミーシャが驚きの声を上げるが装填手のターニャが小さな声で言った。
「砲手、変わった」
「ターニャの言うとおり変わってるね。弾の弾道が確りしてるもん、レーナ追撃して!」
「了解!」
ターニャに同一するアンナ、操縦手のレーナに追撃するように命じた。
プラウダは包囲戦から追撃戦に移行した。
追撃していると先頭を走っていた38tが離れIS-2一両、T-34/76二両、T-34/85一両、計四両の中に突っ込んでいった。
「38tが離脱した……レーナ、本隊を追って。ミーシャ、何時でも撃てるようにしといて」
「了解」
「了解しました」
二人に命じた後アンナはキューポラから顔を出し双眼鏡で38tがいる方向を見た。
「お〜すごい!……でもあんな動きができるなら最初からやってればいいのに……」
IS-2など四両の戦車たちは見事に38tに翻弄されていた。
一両は転輪を破壊され、違う一両は後面装甲に砲撃を受け、ある一両はターレットリングに撃ちこまれるなど、たった一両、しかも性能的には遥かに劣る38tで二両撃破、一両行動不能にする大戦果を挙げた。
これには敵であるアンナも賞賛の言葉を送ったが疑問も言った。
38tは足止めという仕事を終え、四両から離れていった。
それを双眼鏡から見ていたアンナはニヤリと笑いながら呟いた。
「まあ、逃げようとしても無駄だけどね」
そう言った直後、38tに砲弾が直撃し右側の履帯などが木っ端微塵になりながらその勢いで左側に
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