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魔界転生(幕末編)
第86話 魔界衆との戦い(その弐)
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だろうと思ったからだ。
「安心せい、十兵衛。武士に二言はない。が、三つ巴の戦いになるかもしれぬがな」
 荒木は、本当に楽しそうだった。
「なるほど、そういうことですか?これは、楽しそうな喧嘩ですな」
 高杉は声を上げて笑った。
「それでは、始めよう、か!!」
 荒木が言い終わる前に高杉の小立が荒木を襲った。が、なんなくそれを自慢の斬馬刀で受けた。
「ははは、その攻撃が来ると思っておったわ」
 荒木はにやりと不敵に笑った。
「そうですか。では、これはどうかな?」
 高杉の上段蹴りが、荒木の顔面を襲う。
 それを、荒木は間一髪でしゃがんでかわす。が、すぐに高杉の左回し蹴りが荒木を襲う。
 荒木は、しゃがんだ状態で後ろへ飛んで、後転を繰り返し、追いかけてくる高杉の足めがけて斬馬刀をふるった。が、高杉もそれを予測していたかのように飛びのいた。
 荒木はすくっと立ち上がり、剣を中段に構えた。まさに、一進一退の攻防だった。
 十兵衛は微動だにせず荒木と高杉の戦いを見守っていた。
「十兵衛、共闘せぬか?」
 荒木は、一向に戦いに参加しない十兵衛に言った。その言葉に、高杉は十兵衛を見つめた。
「お断りする。三つ巴と申したのは、又衛門殿ではないかな?」
 十兵衛はにやりと笑って答えた。
「はははは。これは一本取られたな。いかにも、そう言ったなぁ」
 荒木は大きく笑った。が、次の十兵衛の言葉に大激怒することになる。
「拙者、組むのなら高杉とやらと組むでござる」
「な、なんだと!!貴様、この俺と戦いたくないと申すか!!」
 まるで鬼のような形相で十兵衛を睨み付けた。
「そうでござるな。又衛門殿とは、以前の転生戦で戦っていますからな。それに、拙者が勝っておるしなぁ」
 大声で十兵衛は笑った。
「十兵衛、貴様!!」
 又衛門が怒号を発した。刹那、十兵衛は高杉の目の前まで疾風のごとき速さで詰め寄っていた。
 高杉は十兵衛の言葉に安心しきっていた。高杉晋作とあろうものが、完全に虚をつかれてしまったのだった。
 高杉は慌てて小立を横に綯いだが、十兵衛は簡単にそれをかわし、高杉の頭目がけて刀を突き刺した。
 それでも、無意識なのか。それとも、最後の断末魔ななのか。
 高杉は、十兵衛の顔面目掛けて右拳をくりだしていたが、途中で力尽き後ろへ倒れこんでいった。そして、十兵衛は返す刀で荒木へと襲い掛かった。
 が、それを読んでいたかのように、荒木は斬馬刀で十兵衛に向かって突きいれた。が、十兵衛も待っていたかのように、典太でそれをよけると、典太を斬馬刀の刃に沿って滑らすようにして進み、自分の間合いまで詰め寄ってきた。
 荒木はそれを見るや、斬馬刀を手から話し、脇差を抜いて十兵衛の攻撃をかわそうと身構えた。
 十兵衛は構わず、荒木の胴を
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