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俺たちで文豪ストレイドッグスやってみた。
第4話「策略」
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 そう言って少年(悪魔)は、ただ嗤っていた。














 ◇ ◇ ◇ ◇














「……っはは、化け物め……!」

「お前には言われたく無いな、『狩人』」

 咆哮。

 熱線。

 蒼色に輝く灼熱の本流が『狩人』へと迫り、しかしその寸前で雷光とともに逃れる。逃れた先へと放たれていた漆黒の炎弾を察知して上空に飛び上がり、ギリギリの所で回避した。しかし、双竜は決して『狩人』を逃さない。
 白銀の鱗に包まれた顎門が『狩人』を噛み砕かんと、その牙を晒す。彼は即座に体を捻らせると、その反動で死神の鎌から逃れた。
 だが、黒龍は隙だらけの『狩人』の腹にその尾を叩き込み、大地へと叩き落とす。

「っぐ……!畜生が……やるじゃねぇか……っ!」

 血を吐きつつ、しかし立ち上がる『狩人』に、双樹が小さく舌打ちする。今の一撃は本来、喰らえば即死は免れないようなものだ。それを受けて尚この様子となれば、本格的に火力不足だ。
 さて、どうしたものか――。

 ――と。

「うおっ!?」

「……?」

 突然に、『狩人』の前に扉が出現する。
 それについては、健達から聞いている。あの詐欺師……『黒鉄狼牙』の異能だ。であれば、あれは『狩人』に撤退しろという司令か。

「ちっ、なんだ、失敗したのかよ。面倒臭ぇ」

『狩人』はそう零して不機嫌そうに扉を睨みつけると、開かれたその中へと足を進める。無理に追う必要はない、そんな事をしても余計な死体が一つ増えるだけだ。

「……次はぶっ倒すぜ」

「そうか分かった二度と来るな」

「つれねぇな」

 ため息混じりにそう言い残した『狩人』は、そのまま扉の奥へと消える。沈黙のままその様子を見送った双樹は面倒そうに頭を?くと、背後に合流していた二人――達也と絵里へと、その寝惚けたような視線を向けた。

「……失敗したか」

「悪い。次は殺す」

「焦るな達也。冷静になれ」

 双樹が諌めるように声を上げ、達也が気まずそうに視線を逸らす。が、ふと何かに思いついたかのように、「そういえば」と双樹へ問を投げた。

「健さんは?」




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