天上のポートフォリオ
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に穴から這い出るモノクロのポケモンは、ダークライ。
「私は確かに何の特別な力もなかった人間だ……だからと言ってただ人を笑わせるために私の研究者として成果も……誇りも……全て奪った貴様らを許してなるものかあ! 私はどんな手を使ってでも貴様らに私と同じ絶望を味あわせてやる……これがそのための力だ! ダークライ、この場にいるものすべてに悪夢を見せろ!」
自分の仕事場と誇りを奪われたがゆえの復讐。それがアマノの全てだった。本人のいう所によればポケモンの力を無理やり引き出して武器にするようなものらしい。ジェムはそれは良くないことだと思う。ポケモンや人を傷つける仕事が正しいとは思えない。でもそれを否定していいのかはわからない。だがエメラルドは、当然のように一笑に付した。
「笑わせてくれるじゃねえか、ポケモンの力を戦争に使うための研究者が誇りなんてな。……ま、それじゃあクライマックスと行くか! 出てこい、俺様の最強の僕……レックウザ!」
エメラルドが指を大きく鳴らす。すると今ジェムたちがいる場所よりさらに高みから、緑色の龍が下りてきた。とぐろを巻いたようなその姿は、荒々しくも神々しい。ダークライも本来レックウザに引けを取らないほど強力な伝説ポケモンでありアマノはそれを操っているはずなのに……ジェムには、アマノの存在はとても小さく憐れに見えた。
「……終わりにしよう、ダイバ君。私達の手で」
「させん……そんなことは断じて認めない! 認めて、たまるかあ!! ダークライ、『ダークホール』!!」
ダークライの両腕から黒い渦が発生し、メガラティアスとメガメタグロスの眼前にも同じものが出てきて夢の世界へ誘い込む。ラティアスとメタグロスの瞳が閉じ、動きが止まった。
「これで終わりだ……あとはレックウザが貴様らを蹂躙するだけ! さあ、やれエメラルド――」
焦りに震えながらも必死に勝ち誇るアマノ。しかしエメラルドは肩を竦めた。アマノが振り向き、天を見るとレックウザまでもが眠っていた。これでは当然攻撃が出来ない。
「な……何!? どういう、ことだ……」
「……『サイコシフト』を使ったのよ。眠っていても使えて、眠り状態を相手に移すことが出来るわ」
見ればダークライでさえも『サイコシフト』の効果を受けて眠らされていた。メガラティアスとメガメタグロスは目を覚ましている。必殺の催眠術を逆用され、二体とも眠り状態にされ、アマノは後ずさる。
「聞いてくれないかもしれないけど……アルカさんは、あなたにこんな危ない真似なんてして欲しくないって言ってたわ」
「やめろ……やめろ! 何故だ、ここに至るまでの計画は万全だった。ダークライの入手もアルカを味方につけたのも、バーチャルの欠陥情報を入手するのも、驚
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