暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
天上のポートフォリオ
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は……命の危険のないクライマックスなんて、何の緊迫感もありゃしねえじゃねえか」

 アマノがエメラルドに命令する。文句を言いつつも拒否しないあたり、本当に命令は有効なのだろう。ならばやはり今のエメラルドはアマノに操られているはずだ。しかし二人の言動からはやはり違和感を拭いされないでいると、ジェムがダイバの体に寄りかかりながらも立ち上がる。まだ体は震えて、表情は今まで見たことがないほど苦しみに歪んでいた。

「はあ……はあ……!」
「ジェム、無理はしないで……僕一人でも、倒してみせる」
「ううん、それは……違うよ」

 荒く吐き出される白い息、真っ青な顔で無理やり笑顔を作って、ジェムはダイバに必死に訴える。

「ダイバ君は、一人じゃないよ……私も……ラティにキュキュも……それに、メタグロスやガルーラがいる。私もちょっと怖かったくらいで……こんな悪い人に、負けられないよ。だから……一緒に、ね?」
「……わかった。でもせめてここにいて」
「うん……お願い」

 ダイバがジェムに肩を貸す。ジェムの足はまだ小鹿のように震えている。でもそれをダイバは馬鹿にせず出来るだけしっかりと支えた。メガメタグロスの猛攻に対してひたすらリフレクターで守りを固めるカラマネロと体を平たく分厚くして守りに入っているデオキシスを見る。デオキシスは状況に合わせて攻撃にも防御にもスピードにも能力を特化させられるポケモン。だが半面攻撃態勢の際の防御力は極端に低いため、ひたすら『バレットパンチ』を使い続ければあの『サイコブースト』は打てない。

「いつまでも攻め続けられると思うな! カラマネロ、『馬鹿力』!」

 カラマネロがデオキシスの体に隠れて力を溜め、本来以上の力でメタグロスに突進する。素早い分威力の乗っていない拳を弾き飛ばし、メタグロス本体を弾き飛ばした。その隙を突き、デオキシスが攻撃態勢に入る。

「さて、次でお前のメタグロスに止めを刺してやろう! 終わらせてやれ!」
「確かにもう一発喰らえば僕のメタグロスでも耐えられない……でも、僕達のメタグロスなら話は違う。『コメットパンチ』だ!」
「なら見せてみな、『サイコブースト』だ!」

 デオキシスの胸に四度目の極光が溜まっていく。それに対してメガメタグロスは主と仲間を信じ全力で四つの拳を振り上げ、ひとまとめにした巨大な隕石のような一撃を放つ。そこへデオキシスのレーザーが直撃する直前――ジェムが指示を出した。

「ラ、ティ……『ミラータイプ』!」
「ひゅうああん!」
「ここで『ミラータイプ』だと!?」

 アマノが驚く。ラティアスの瞳がカラマネロを移し黒く光った。その瞳でメタグロスに思念を飛ばし、メタグロスの体も黒に染まる。

「これでメタグ
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