暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
天上のポートフォリオ
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
間にもラティアスは空気中の水分を操り、まるでチルタリスのように雲を体に纏っている。

「あなたの攻撃は、私達で受けきってみせる!そうすれば……」
「エメラルドは攻撃しか能がない以上、ダイバが私を倒せる……か。見くびるなよ小僧ども!」

 アマノはダイバとメガシンカしたメタグロスを見る。デオキシスのレーザー発射に合わせてメガメタグロスはカラマネロに殴りかかっていた。カラマネロは『リフレクター』で応戦しているようだが、『瓦割り』を交えた四つの拳をすべて受けきるには壁が足りていない。

「エメラルド、望み通り攻めたててやれ!」
「……デオキシス、『サイコブースト』」
「ラティ、『影分身』!」

 デオキシスが二度目のレーザーをメガラティアスに放つ。それなりに威力が下がっているとはいえ当たれば脅威となる一撃。しかしそれは空を切った。雲を纏って見えなくなったメガラティアスは、自分の体を光の屈折によって隠すことでダミーの雲にレーザーを向けさせたのだ。

「威力は下がってる……! このままいけるよラティ!」
「『サイコブースト』は強力な威力を引き換えに使った後特攻が下がる技……お前の『ミストボール』も合わせりゃもうほとんどなけなしの火力。とはいえエメラルドは攻撃するしかないわけだが……」

 それがダイバから聞いたエメラルドの特徴だ。いついかなる時も徹底して攻め続けるが故に、最初は能力を下げることに集中すればひとまず戦えると。しかし守りに徹していたカラマネロが突然デオキシスに飛んでいき、頭の触手と遺伝子のような緑と赤の体が絡み合う。

「その程度の策で私を止められると思うな! カラマネロ、『ひっくり返す』!」
「……ッ、まずい! ジェム、守りを――」
「ラティ、私達を守って!!」
「もう遅い! やれぇ!」

 『ひっくり返す』は一体の能力変化を不思議な力で反転させる技だ。デオキシスの特殊攻撃力は自身の『サイコブースト』とメガラティアスの『ミストボール』によって大幅に減少している。それが反転し、ラティアスの集めた雲のエネルギーが全てデオキシスに吸収されていく。旨の水晶体に、最初の何倍ものエネルギーが膨れ上がり、フィールドの全てを薙ぎ払うように体を振り回し広範囲を焼くレーザーとなって発射された。

「ひゅうああああああん!!」

 メガラティアスが『サイコキネシス』でジェムとダイバの前に念力の壁を作る。レーザーはメガメタグロスを吹き飛ばし、更に念力の壁を直撃してメガラティアスの体を焼いた。念力の壁は壊されはしたものの、中のジェムとダイバを直接焼くことはしなかった。しかしそのエネルギーはまだ体の軽い子供を吹き飛ばすには十分で。
 ダイバのように重い靴を履いているわけではないジェムの体が、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ