暁 〜小説投稿サイト〜
ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十七話 状況は「前門の虎後門の狼」というわけですか。
[7/9]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
はディスプレイを見つめていたのは、わずか3分程度であり、その後1分の間顎に手を当てて考え込んだ後に立ち上がったのだと後にそう語られている。
「会議室に20分後に集合せよ。作戦を定めた。」
彼のアイスブルーの瞳は自信に満ちたきらめきを放っていた。
20分後、幕僚と主だった艦隊司令官が会議室に入ると、ラインハルトは満を持して作戦の説明に入った。その奇想天外な作戦には誰しもが目を見張ることとなったが、こと最初の数語を聞いた段階において、すでに驚動天地の心境に達していた。
それは――。
* * * * *
ヤン・ウェンリー少将は敵の大増援がやってきても、さほど顔色を変えなかったと後にフレデリカ・グリーンヒルは語っている。その理由としては、
「これでこちらが引く立派な大義名分ができたじゃないか。」
というものだった。十万隻の大増援がきたからには、勝つ戦いをすることは難しくなったということは誰の目にも明らかだった。
ラインハルト以下の十万隻の増援を目の当たりにした自由惑星同盟側前線部隊は直ちに緊急会議を行った。
「最高評議会としては、ただ撤退命令のみを出すことはできないと思います。何故なら、国家の威信をかけて作り上げたこのアーレ・ハイネセンが何の成果もあげずに撤退という事になれば、納税者たちから囂々たる非難が出てくることは明らかだからです。」
と、真っ先にティファニーが言う。彼女にしてみればこれこそがイーリス作戦の呼び水ではないかと思い、実際アルフレート、カロリーネ皇女殿下、ウィトゲンシュティン中将から作戦概要を聞いて、その通りにするほかないと思い込んでいた。少なくとも説明を聞いた直後は。
ところが、である。先ほどシャロンから連絡が入り、イーリス作戦について艦隊の展開が思った以上に進まない旨の話があったのだった。予算委員会が渋っているらしい。何しろこの作戦で動員すべき艦隊はほぼ自由惑星同盟の全軍なのである。莫大な予算が必要になる。シャロンとしてはこうなることを想定して極秘裏に予算を組ませていたのだが、それは表ざたには出来なかった。
『委員会には折を見て裏から手を回すけれど、それが数日はかかりそうなの。そこであなたはできうる限り要塞の後退を阻止して足止めを図りなさい。』
と、シャロンはティファニーに指令したのだった。第十三艦隊のウィトゲンシュティン中将らがいぶかしがる視線を向けてくるのを彼女は懸命に頬の赤さをこらえながら耐えていた。
「私もその意見に賛成だ。評議会が撤退指令を下さない見通しが高い以上、直ちに増援を要請して、それまで持久戦を展開するしかあるまい。」
と、クレベール中将。
「だからと言ってこのまま座していては兵力で劣る私たちが不利になるだけよ。傷が深くならないうちに撤退すべきだと思うわ。」
ウィトゲンシュテ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ