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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十七話 状況は「前門の虎後門の狼」というわけですか。
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ます。」
「後退の許可を、そして主力艦隊派遣の指示を、果たして司令部が下すかしら?」
「イーリス作戦を発動すると言えば、わかってくださいます。それについては――。」
アルフレートはここまで温めてきた作戦の概要をなぞって話した。彼が語り終えても、二人は長い事何も言わなかった。
「本来であれば。」
ウィトゲンシュティン中将がようやく口を開いた。
「あなたの意見具申は司令部全体で話し合われるものだけれど、あなたが今この場で言ったのは賢明だったわ。」
ウィトゲンシュティン中将の口ぶりには何とも言えない奇妙な調子が入っていた。
「わかっています。」
「この作戦、私が預かってもいいかしら?」
えっ?とカロリーネ皇女殿下が声を上げたが、アルフレートの視線と合うとその真意を理解したかのように顔を伏せた。
「はい。」
ありがとう、とウィトゲンシュティン中将はそう言い、アルフレートが作成した書類を受け取ると、それを無造作に整えながら、
「この作戦を実行に移す際に、私が陣頭指揮を執るわ。」
と、これまた無造作に言ったのである。
『駄目です!』
そう言えればどんなによかっただろう。だが、二人の唇からそれが出てくることがなかった。ウィトゲンシュティン中将にこれ以上無理をさせれば、容体は悪化しかねない。それでもなお止めることができなかったのは、ウィトゲンシュティン中将が背負う重荷の大きさを二人はよくわかっていたからだった。
「でも、帝国軍相手に大丈夫でしょうか?あんな大軍が密集して突き進んで来たら、それこそ――。」
不意にカロリーネ皇女殿下が口をつぐむ。残りの二人は何事かというように背後を見た。
「その作戦、詳しく聞かせてもらえますか?」
ティファニー・アーセルノ中将が立っていた。


他方――。


帝国歴487年9月3日が、ラインハルトの指揮する元帥府の麾下ほぼ全戦力がオーディン及びその周辺星域からイゼルローン回廊を目指して出立する日であった。
先述したように、先鋒はビッテンフェルト中将。それに付随する形でワーレン中将が次鋒を務める。
先鋒と本隊を結ぶ重要位置につくのは、転生者の一人であり、一時的に艦隊を抜けてつい最近まで女性士官学校にて校長をしていたジェニファー・フォン・ティルレイル中将。彼女は前世における騎士士官学校におけるイルーナの同期でありフィオーナらの諸先輩にあたる。それにラインハルトの本隊が続き、その左右をメックリンガー、ルッツ両中将が固める。後方を守るのはミュラー中将であり、アイゼナッハ中将は予備兵力として待機することとなる。ラインハルトの前衛を守るのはルグニカ・ウェーゼル少将。そしてイルーナ自身がローエングラム陣営の参謀総長として総旗艦ブリュンヒルトに搭乗して全艦隊の作戦指揮を行い、実際に艦隊運用に当たるのは
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