出立のリターン
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い、虹色の流れみたいな所に触れた瞬間、眩い光が発せられたと同時に空間から脱出……雲がすごい下に見える空の上に放り出された。
「ちょ、こんな高い所に出るとか嘘やろぉおおおお!!!????」
突然のスカイダイビング、それもパラシュートも命綱も無いという状況に投げ出され、うちは軽く死を覚悟した。うわぁ、落ちとるなぁ。今、超落ちとる。……うん、身の危険は十分感じとる。だからのんきなこと考えてないで、マジモードに入るか。
「にゃぁあああああああああああああ!!!! 飛行魔法なんてうち使えへんのに、どないすんねん!? どうすりゃプチッと逝かずに済むんや!? っていうか、コレ明らかに死ぬぅうううう!!! だ、誰か助けてぇえええええええ!!!!!!」
流石のうちもガチ泣きしながら落下していくが、こんな高空で周りに誰もいないのに悲鳴が届くわけもなく、緑に覆われた地面がグングンと迫ってくる。どうやらこの下はあまり大きくはあらへんが森林らしく、もしかしたら木の枝などで落下の衝撃が和らぐことを本気で期待しとるんやけど、どちらにせよ地面に激突して怪我をするのは確実やった。
って、よく見たら下に人、それも小さい女の子がおるやん!? こんな所から見つけられた辺り、うちの動体視力が良いのかもしれへんけど……流石に無関係の子を巻き込むのだけは勘弁やね。そもそもこんな状況になったのはうちのせいやし、死ぬかもしれへんけど怪我するのは自分だけでええんや!
「そ、そこの子早く逃げてぇえええええ!!!」
「え? どこから声が……って、ふ、ふぇぇえええええ!!!???? そ、空から人が落ちてきてますぅううう!!???」
いきなり驚きの光景を見せられて素っ頓狂な叫び声をあげる女の子やけど、そんなことしてないで巻き込まれないように早く逃げてほしい。もし彼女が巻き込まれて大怪我でもしたら、本当に死んだ時にあの世でサバタに顔向けできへんもん。
「はわわわわ、どうしたらどうしたら……!? ……ハッ! こ、こんな時こそ……わたしが頑張らなきゃ……!」
「何しとるんや! うちの事はいいから、はよ逃げんかぁあああ!!」
「魔力を集中させて、詠唱文も……行きます! ……蒼穹を走る白き閃光。我が翼となり、天を駆けよ。来よ、我が竜フリードリヒ! 竜魂召喚!!」
逃げるように促したうちの声も聞かず、女の子は手を掲げて魔法陣を展開、何かを唱えた直後……魔法陣から白くて巨大な竜が粒子を纏いながら現れた。威風堂々としたその姿にうちは一瞬目を奪われたが、その竜は徐に雄大な翼を広げて飛翔、うちの方に飛んできた。……って、まさか食われるんか!?
「フリード! あの人を助けて!」
「グルゥウウウウ!!!」
そんなことを思っていたら、地上にいたあの女の子
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