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リリなのinボクらの太陽サーガ
出立のリターン
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さまが枯れているという事は、その恩恵を授かっていた街も……。……今の内に気を引き締めておきましょう」

「そうそう、シャロン。転移する前に一つ、老婆心から忠告しといたる」

忠告?

「昨日の夜、空いた時間であんたのことを占ってみたんやけど、『前』という文字が見えた。この意味、あんたはわかるか?」

「前? ……いえ、わかりません」

「さよか。まあそっちはええ、言いたいのは未来についてや。あんたの場合、未来はなぜかよく見えへんかった。うちの占いですら見えなかったということは、あんたの行く先には途轍もない何かが関係してくるはずや」

「え、こんな時に不安になることを言わないで下さいよ……」

「だから今の内に忠告しとるんやで。次元世界で何が待っとるのかはわからんが、最低限何が起こっても大丈夫なように心を強くしとけ。まぁ所詮は占いやし、警戒した所で何も起こらないかもしれへん。でもな……世の中には油断大敵っちゅう言葉もある、無事に帰って来るためやと思って心に留めておいてほしいんよ。あんたはうちにとっても数少ない同郷の人間なんやしな」

「そうだったんですか……わかりました、ご忠告ありがとうございます!」

そうやってお礼を告げた直後、クレスの詠唱が完了し、転移魔法が発動……光に包まれて私達は先代ひまわり娘の屋敷から姿を消した。





フワッとした感覚に一瞬なった後、意識がはっきりした私の視界には先程まで居た屋敷は無く、全く別の場所……何もない荒野と人の気配が無い廃墟、そしてその先に佇む枯れた大樹があった。

街の外れにある丘……そこに転がっていた岩に引っかかっていた看板を見ると、“大地の都アースガルズ”と書かれていた。クレスの転移魔法は、私達をちゃんと目的地に送り届けてくれたようだ。

「やはり……ここも数年前の吸血変異で滅びてしまった街のようですね。太陽樹さまの結界も、イモータルの襲撃には耐えきれなかったのでしょう」

「日中だからアンデッドの姿は見えない……多分、今は屋内にいるんだろうね。……あれ?」

ちょっとだけ強い風が吹き、岩に引っかかっていた看板が飛ばされていく。するとその看板に隠されていた岩の下の部分に、石灰石で書かれたらしい変な絵が描かれていた。興味をひかれた私は近づいて覗き込むと、それは絵ではなく文字だった。

『いつかまた帰りたい』

その短い文章に込められた想いは、悲しくて、辛くて、とても切なくて……胸が痛かった。でも……これから前に歩き出すから、いつか立派な姿になって戻ってくるという、巣立ちの覚悟のようなものも感じた。

「ッ………! あぁ……うちは……ここを知っとる。ずっと昔……ここは……うちの秘密の場所だった。魔女だと迫害されたうちが、一人になりたくて……
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