出立のリターン
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った……。……うっぷ、水に揺られる感覚が、また気持ち悪さと吐き気を誘発してる……」
『乗り物酔いですか。確かに酔いやすい人にとって、ポッドの揺れやこの閉鎖感は最悪でしょう』
「なんか昨日から何かと酔ってばかりだ……辛い……」
『それは災難ですね』
「はぁ……ところで……さっきから変な音がしない?」
『変な音ですか? 言われてみれば、ギギギって音が……』
ガキンッ! ブシャァアアアア!!
「し、浸水!? 亀裂から水が入ってきた!!」
『あ〜いくらガレアの技術が使われたポッドでも、数百年単位の経年劣化には耐えられませんでしたか……』
「のんきなこと言ってないで! ねぇ、どうするの!? これじゃあ手で押さえるのも限界だよ!」
『そうは言っても、水中でポッドは開けられませんよ。水圧が入り口を抑えていますし、セーフティもかかっていますから』
「だからって脱出ポッドの中で溺死とかは勘弁してほしい! もう、ほんとにどうすれば……!」
精神的にかなり焦っていたその時、下の方でかなり大きな爆発が発生した。どうやらさっきまで私達がいた船が爆発したらしい。その勢いでポッドが浮上する勢いがかなり増したが、同時に亀裂も大きくなって浸水の速度もとんでもないことになり、ポッドの外壁が一部だけ完全にめくれていた。
「やばいやばいやばいやばい!! もう首まで浸水してる!」
何とか脱出ポッドの天井ギリギリの位置で辛うじて呼吸していたが、数秒後、とうとう完全に浸水して脱出ポッドの空気がなくなってしまった。必死に息を止めて耐えていたものの、亀裂から太陽の光が見えた頃にはもう限界だった……。
「ゴボォッ……(こ、こんな所で……)」
空気を吐き出してしまった私は、そのまま冷たい海水に浸されたポッドの中で意識が朦朧となっていき……、
ウィ〜ン。
「ッ!? ゲホッ! ゴホッ! ハァ、ハァ……」
溺れる寸前に海上へたどり着いたことでポッドの入り口が自動的に開き、中の海水が流れ出るのと共に私の身体も外へもたれかかった。
『シャロン、大丈夫ですか?』
「ぜぇ、ぜぇ……し、死ぬかと思った……」
『ほっ……とにかく無事で何よりです。ところで……シャロンって肺活量がかなり多いのですね。私の国でも、肉体改造無しであなたほど呼吸を止めていられる者はいませんでした。あなただからこそ、辛うじて生き延びれたんですね』
「冥王様に褒められるとは光栄の至り、って……返して、ほしいの? 悪いけど、そんな余裕……な…………い……」
『シャロン! 大丈夫ですか、シャロン!?』
酸素不足で体力が尽きていた上、溺れずに済んで安心したせいか、波の音とイクスの呼びかけが聞こえる中、私は眠るように意
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