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リリなのinボクらの太陽サーガ
出立のリターン
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まいましたか……』

私の存在を認知した少女は、その言葉を発して瞼を開けた。直後、カプセルの周囲から凄まじい水蒸気が放出され、中の培養液が排水されていく。そして、起き上がった少女が私を真っ直ぐ見つめてきた……。

「あ、ちょっと!? 君、ハダカハダカ! 服はどこ!?」

「え? あ、あぁ……そういえば私、何も着ていませんでしたね。培養液の中に服着たまま居るというのも普通に変ですし、ずっと眠っていたのでついうっかり忘れていました」

「のんきなこと言ってないで、何か着るものは!?」

私は急いで周りを見渡し、彼女が着れそうな何かを探した。でも残念ながら何も無かったから……その……怪我した時に備えて私が持っていた包帯を巻いてあげることで、辛うじて彼女の局部は隠せた。尤も包帯しか身に着けてない幼女とか、これはこれで全裸より卑猥になってる気がするが、そこは気にしないことにした。

「と、とりあえずこれで当分しのぐとして……君が、イクスヴェリア?」

「はい、私がイクスヴェリアです。あなたは?」

「シャロン・クレケンスルーナ。ここが次元世界なら、ニダヴェリールの月下美人、と言った方が伝わりやすい?」

「ニダヴェリール……月下美人……なるほど……。さて、あなたも色々言いたいこともあると思いますが、まずは謝罪を。……ごめんなさい」

「……」

「あなたがマリアージュに襲われたのは、私の力不足のせいです。私が……アレをちゃんと封じ込めていられれば……」

「……じゃあ、訊いてもいいかな。私、この船の航海日誌を読んだけど、コンピュータウイルスでマリアージュ・コアシステムの制御能力を奪われたってことが書いてあった。でもさ、マリアージュは君が眠ることで封印されたはずなのに、どうして今また動き出しているの?」

「では、マリアージュの現在の状態をご説明します。マリアージュ・コアシステムがウイルスに汚染されたせいで、マリアージュは見る者全てを手当たり次第に殺していく殺戮兵器と化してしまいました。艦の外がどうなっているかはわかりませんが、とにかく外に出してしまえば想像もつかない被害が出てしまいます。なのでコアシステムの本来の使い手である私が眠ることで、マリアージュに発動する緊急強制停止機能を用い、何とかコアシステムとマリアージュを停止状態に持ち込んだのですが……数年ほど前に、この近くをとてつもない衝撃が襲いました」

衝撃……? 数年前の出来事で、こんな海底にそれほどの衝撃が伝わるものと言えば…………ファーヴニルの破壊光線ぐらいしか思いつかない。もしかしたらそれ以外の事態が発生して、そっちが原因って可能性も考えられるけど、私の知る限りではこっちが原因だと思う。

「外部から与えられたその衝撃によって、停止したはずのコアシ
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