出立のリターン
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―の制御下に落ちたマリアージュによって搭乗員が殺されていく最中、私は―――の目的が―――の―であることが判明。――――――――の起動だけは何としても阻止せねばならないため、やむを得ず―――の―をNZ128、EZ061に時空転送。また、王は暴走するマリアージュを封印すべく本艦の星間移動用長期睡眠保存装置を使用、自らを贄とすることでマリアージュを外に出すことを阻止した。だが―――の影響は本艦そのものにも及び始めた。これでは王の覚悟も水泡に帰してしまう。そこで眠りについた王を除いて唯一の生き残りたる私は、世界に未来を、希望を残すべく、本艦を沈めることを決定した。世界の崩壊は、本艦の沈没を以って防がれることとなるだろう。……ああ、我が王イクスヴェリア、あなた様はガレアだけでなくベルカ全土に蔓延る極右思想の者達に身代わりとして、これまで彼らが行ってきた罪深き悪行を全て背負わされ、冥府の炎王として後世に悪名を残してしまう。あなた様は、ベルカが行ってきたその悪しき習慣を止めようとしていたにも関わらず。願わくば、いつかあなたの苦しみが晴れんことを……』」
…………。
えっと……なんか私、とんでもないものを読んでしまったのかな? 冥府の炎王についてはニダヴェリールにまだいた頃、気まぐれでクリアカンの資料館に行った時にチラッと読んだことがあるけど、戦乱と残虐を常とし、敵を捕獲して肉体を改造するとか虐殺した死者を利用するとか、かなりえげつないことが書かれていた。いわゆる世界征服を企んでそうなすごく悪い王様、というイメージが伝わってきたんだ。それも全ての本や資料から。
なのにこの航海日誌らしきものからは、むしろ酷いことをしようとする国をどうにか抑えようと頑張って、人を守るべく奮闘する良い王様って感じがした。……もしかしたら、今まで次元世界の人が見てきた冥府の炎王とは、歪められた歴史による間違った姿なのかもしれない。歴史は勝者が作るもの……敗者の姿なんて、情報操作でいくらでも変えられてしまう。ベルカの極右思想の人達は、イクスヴェリアがこの事故で眠りについたのをいいことに、彼女の尊厳を貶めたのか……。自分達がやってきた悪事を、これ見よがしに押し付けて……。
「……やっぱり次元世界の人達には、信用ならない部分が多いなぁ。それにしても……この船が運んでいた何かが暴走したせいで、マリアージュっていうものの制御が奪われ、そして沈んだってことはわかった。ヴェルザンディ遺跡にファーヴニルが眠っていたように、またしてもここに危ない何かが眠っているなんて……次元世界って、どうしてこう危険なものばっかりあるんだろう……」
だから次元世界は嫌なんだ……正直、もう世紀末世界に帰りたくなってきた。とにかくザジ達を見つけて合流し、こっちにいるはずのジャンゴさんを見つけるなどのやる事
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