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リリなのinボクらの太陽サーガ
出立のリターン
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って言います」

「うちは星読みのザジや。短い間やろうけどよろしく、キャロ」

そしてうちは次元世界で初めて出会った竜召喚士の女の子、キャロと握手をした。その後、うちを助けてくれたフリードリヒという竜にもお礼を挨拶をして、なんか小さくなったフリードを連れたうちらはルシエの里へ歩き出した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


落ちる。

落ちていく。

意識の無い私は、何の抵抗もなく落ちていった。誰かに助けられることもなく、私の身体はどんどん地上へ落下していき、周囲に何もない海のど真ん中へと吸い込まれるように頭から着水した。普通なら首の骨が折れてもおかしくないほどの衝撃が伝わっているはずだが、無意識に私の身体から発せられていた月下美人のエナジーが膜のようになって、私の身体を守ってくれていた。そのおかげで意識を失ったまま二度と目が覚めない、なんてことにはならなかったが、私の身体は海に落下した後も更に下へと沈んでいった。

下へ……下へ……沈んでいく。泳いでいた小魚が見守る中、海底にあった謎の遺跡が月の光と鳴動するかのように起動、私の身体が沈む先にあったゲートを開いて、未だ目覚めぬ私を招き入れた……。




「……う、ん? 私、生きてる……?」

しばらく経って、目を覚ました私は自分がなぜ海水で濡れてるのか疑問に思いながら、これまでに起きたことを思い出す。

「そうだ、あの気持ち悪い空間でザジさん達と離れ離れになって……。ということは、ここはもう次元世界なのかな。でも……それはそれでここはどこなんだろう?」

周囲を見渡すが、石材とも金属ともとれるよくわからない素材でできた壁や道があるばかりで、具体的には何もわからなかった。ただ……こういう場所と似た場所を、私は知っていた。

「ヴェルザンディ遺跡……私達の故郷にあったあの遺跡と、どこか雰囲気が似ている……。でも、こっちの方がもっと古い感じがする……ヴェルザンディ遺跡より数十年から数百年単位で……」

あのユーノという遺跡好きの少年がいたら、きっと我を忘れるぐらい興奮してただろうなぁと思った。私は別に遺跡マニアじゃないから、そこまで関心があるわけではない。まぁでも、古代の隠された神秘、というものを面白いと思う気持ちぐらいはある。過去を学べば、自分の何かが変わる……歴史を知るとはそういうものなのだ。

さて、考古学に想いを馳せるのも程々にして、外に出る方法を探さないと。私が海水で濡れていたことから察するに、この遺跡は海の中にある。となるとこの遺跡全体が密室とも言えるわけで、悠長にしていたら空気が不足して酸欠になる可能性だってあり得る。例えどんな超人や能力者だろうと人間である以上は酸素が無くなれば生きることはできない。だから出来るだけ早
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