第八話 プラウダ戦を見ます! その3
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すからこれほど光栄なことはありませんから!」
おそらく今日一番の笑顔となりながら多代が言った。
それを真正面で見ていたダージリンは、思わず笑ってしまった。上品に笑っている。
「ふふふっ……相変わらずね多代は昔からちっとも変わらないわね」
「そうですね、よく言われます。紅茶おいしかったです」
そう言うと多代は立ち上がり帰る準備をし始めた。
「あらもう少し居てもいいのよ?」
「それは出来ません。だって……」
多代は視線をダージリンから外し、後ろにある小さな雪山に向けた。
「連れが待っていますので」
「あら、そうだったの?」
「では、お二人とも紅茶ご馳走様でした」
そう言って多代が歩き出すと、ダージリンが言った。
「次に会う時は何時かしら?」
多代は、振り向き言った。
「戦場で!あとローズヒップによろしく伝えといてください!」
そう言って多代は走って言った。
「あのダージリン様、何でローズヒップさんによろしくなんですか?」
「彼女とローズヒップは幼馴染なのよ」
「えっ!?」
暫く走っていた多代はある程度たって止まった。そして振り向き言った。
「バレバレだぜ?いい加減出てきたらどうだ?」
そうすると雪の中から莉乃が出てきた。
「……いつから気づいていたの?」
莉乃は睨みながら聞いたが多代は即答した。
「最初から」
「ウソォぉお!?」
「ホントだって」
「いやそんなのはどうでもいい!あなたに聞きたいことがある!」
そっちから聞いといてどうでもいいとは何なんだ?と思いながらも多代は莉乃の質問を待った。
「あなた、『栗林流』に憧れてるの?」
「正確に言えば『栗林流』ではなく『栗林千冬』そのものに魅了されている」
「千冬に……魅了されている?」
「そう!あたいは『千冬』のことが好きなんだ!小学の頃初めて『千冬』の姿を見た瞬間、虜になった……試合の仕方も素晴らしかった!一切の情けを懸けず、冷徹に淡々とこなしているのに、それでいてどこかに熱い気持ちがある……『千冬』と勝負がしたい、『千冬』と一緒に試合がしたい!そう思ってきたんだ!あたいにとって今の状況は夢のようなんだ!『千冬』の傍に入れる、憧れの存在がすぐ傍にいる、こんなにうれしいことは無い!」
莉乃はこの時思った。
こいつ、すごく、私と似てる。
「山口…いや多代!」
「なんだい!」
「これからも一緒に千冬を支えていきましょう!」
「もちろん!」
二人は握手をした。ここに固い友情が生まれた。
「そろそろ始まるね」
「そうっすね姐さん」
「楽
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