第八話 プラウダ戦を見ます! その3
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に染み渡るのを感じていた。
「こんなところであなたに会うとは思わなかったわ」
「そうですね。私も会うとは思いませんでしたよ。ダージリンさん」
そう多代は今、聖グロリアーナ女学院戦車道隊長のダージリンと一緒にお茶会を楽しんでいた。
「あなたとこうして話すのはいつ以来かしら?」
「中学以来ですね」
「あら、もうそんなに経っていたのね」
ごく他愛もの無い話をし、昔話に花を咲かせていたがダージリンの隣に座っていたオレンジペコが聞いてきた。
「あのダージリン様と多代さんはどのようなご関係なのですか?」
「ただの先輩と後輩の仲だよ。オレンジペコちゃん」
「そうよ。多代はただの後輩よ」
「そうですか……あとちゃん付けはやめてください」
オレンジペコから何かを警戒する目で見られていた多代であった。
「ところでなぜ多代は、聖グロリアーナに来なかったの?わたくし、楽しみに待っていたのよ?」
「そ、そうだったんですか!?」
「彼女のお婆様もお母様も聖グロリアーナの卒業生なのよ。だからてっきり入学すると思っていたのよ」
何故か驚くオレンジペコとそれを落ち着かせように言うダージリンを横目に多代は答えた。
「私もそのつもりでしたが、祖母と母に反対されまして」
「そうなんですの?理由伺ってもよろしいかしら?」
「祖母も母も聖グロリアーナのOGなのですが、『マチルダ会』、『チャーチル会』、『クルセーダー会』のどこにも所属していないんです。しかも母は、『OGが原因で戦力増強もできないし増強しようとしても横やり入れられるから違う学園艦に行きなさい』って言われたので仕方が無く知波単に入学したわけです」
『マチルダ会』『チャーチル会』『クルセーダー会』とは聖グロリアーナ卒業生で結成されたOG会で、在校時代の搭乗車輌に因み会派の名前となった。この三会派は資金など提供する代わりに学園艦の運営方針など影響力を保持しており、卒業生の反対から戦力増強のための強力な車両の導入が遅れている。
多代が理由を話し終えると何とも言えない空気になっていた。
「それが入学しなかった理由なんですか……」
「何とも痛いところですわね」
オレンジペコは少し落ち込んでいたが、ダージリンは優雅に紅茶を飲んでいてさほど気にしていないのがわかる。
「でもそれだけではないのでしょ?」
優雅な笑みを浮かべながらダージリンが多代に言った。
多代もすぐには答えず紅茶をじっくりと味わい、全部飲み干してから、カップを静かに置いた。
「ええ、私を理解してくれる理想の上司が知波単に居ましたので」
笑みを浮かべながらダージリンに向かって言った。
「祖母も母も憧れた流派……しかもその跡取りが上司なんで
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