第八話 プラウダ戦を見ます! その3
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………ココアをくれた先輩は癖毛で、もう一人の先輩は金髪だぁ」
「二人いたのか……ちょっと待ってて……」
そういうとアンナは携帯を取り出た。しばらく携帯を使い画面と向き合っているとある事に気が付いた。
携帯の画面に映し出されているのはこの試合に参加している全てのプラウダ隊員の顔写真だった。
なぜアンナが全員の顔写真の画像を持っているかというと全員の顔を覚えるためである。
プラウダの戦車道部の人数はサンダースほどではなくとも強豪校だけに毎年多くの部員が入る。そのためアンナは『せめて試合に出る人の顔は覚えよう』と決め、毎試合ごとに写真を携帯に入れているのだ。
気が付いたことは、この試合に出ている隊員で金髪はカチューシャ隊長『一人』しかいなかったことだ。
それに気づいてしまったアンナは、ニーナに対しての怒りを抑えつつも、ニーナは一年生でしかも初めての実戦であり隊員全員の顔を覚える余裕が無かった、そう判断し怒るのをやめニーナとアリーナ向かって言った。
「ニーナ、アリーナ戦闘準備しといてね」
ただそれだけを言うと早歩きでニーナたちから離れていった。
それをただただ黙って見送るニーナとアリーナ。アンナの姿が見えなくなるとアリーナが口を開いた。
「ニーナ、何にしたんだべ?」
「何って……何もしてないべよ?」
心配な表情を浮かべながらアリーナはニーナに言った。
「でもアーニャの顔、見たか?……あの顔は怒ってるときの顔だぁ!」
「そんなこと言ってもわだしはなんも怒られるようなことはしでねぇよ?」
「じゃあ何であんな怖い顔になってたんだぁ?」
「さぁ……?」
アンナは自分の車両であるT-34/85へ戻っていた。戻った後すぐに寝ているカチューシャではなく、副隊長のノンナに報告した。
「ノンナ副隊長、敵の偵察が我々の陣地に侵入していた模様です」
『その報告は私も聞いています追い払ったようですが、それがどうかしましたか?』
「他にも偵察が居たんですね……こちらは変装し陣地に侵入した奴が二人いたんです」
『……それでその二人は?』
「ニーナが言うには先輩だと思ったそうです。さらに布陣状況も教えてしまったようです」
『……そうですか、分かりました。報告ありがとうございます。あなたはそのまま警戒状態を維持していてください』
通信機越しでもノンナの機嫌が悪くなっているのをアンナにはわかった。
「了解しました。では失礼します。………はぁ〜〜………」
通信を切ったあと、思わずため息がでたアンナだった。
多代は紅茶を飲んでいた。この寒い中でしかも外で飲んでいたが、外で飲んでいるので温かい紅茶が身体
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