1st season
1st night
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湾岸線を除くとほぼすべてのエリアが入れ替わっている。
C1と呼ばれる最もテクニカルなエリアでは、「気まぐれな旅人」と呼ばれる黒のZZTセリカが現在のトップに君臨している。しかし本人にその気はなく、普段どこで何をしているのか、いつ首都高に現れるのか、そのすべてが一切不明。ドライバーが若い女性であるということ以外に情報はない。
現在ではC2と呼ばれ、C1から伸びたルートから湾岸線に出て、レインボーブリッジからC1に戻る辺りのエリアでは、赤のFD3SRX−7と赤のS15シルビアがコンビを組んでリーダー格を撃墜した。しかし彼らは本気で走りに来ることはめったになく、一度だけ「気まぐれな旅人」と戦った一夜は、新たな伝説として目撃者から語り継がれている。
横浜環状線においては、雑誌や各地サーキットで結果を残してきたチューニングショップ「R4A」によって手掛けられる赤いR35 GT−Rが、他を寄せ付けない圧倒的な速さで頂点に君臨している。ドライバーは、かつて様々なボーイズレーサーのグランプリでカップを持ち帰った「若き老兵」と呼ばれる青年。しかしこれまた本人は、非公認である公道レースの結果そのものには興味がなく、ただひたすら己のドライビングと車に磨きをかけるためだけに走りこんでいる、とのこと。
この三組のうち、誰かが「Dの遺産」を受け継いでいるのではないか、との噂がにわかに首都高を騒がせている。その噂を聞きつけ、首都高のとあるパーキングエリアに現れた青年が二人。
「……思っていたより、今夜は冷えるな……まぁ、Machineには影響はないだろうが……」
関東各地にあるサーキットの草レースでは、表彰台の常連として名を連ねている「孤高のグレーラビット」と呼ばれるグレーのZ32。薄い青のシャツに黒のデニム、こげ茶色のショートブーツのようなものを履いている。
「わざわざこんなところまで出張るとはネェ……本当にあると思ってンの?18年前の化石がヨ」
もう一人は「雷光の疾風」と呼ばれる黄色のRX−8使い。赤地のヒョウ柄のTシャツの上に黒いジャケット、青のデニムにワインレッドのスニーカー。
「……あの時、俺を置き去りにしたR35……奴に勝つには、『Dの遺産』しかねぇ……」
「ふぅん……ま、もしそれがハンパな伝説なら、オメーが手に入れる前に潰してやるヨ」
そういうと、「雷光の疾風」は愛車に乗り込んでエンジンに火を入れる。
「Information……まずは情報……『D』は、俺の『R』の相棒たりえるのか……」
そうつぶやくと、彼も愛車のエンジンを起こし、闇へと走り出した。
同じ時間、とある郊外のファミレスに、赤いHA25S型アルトと黒のL175型ムーヴが止まった。中から降りてきたのは、三人の男性に一人の
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