第79話 幻想月読
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だったんですね」
「まあな。お前らも無事で良かった。どうやって無事だったんだ?」
「?恐らくですけど、このサソリさんから貰ったバッチのお陰かなと考えていますが......前の時と同じように」
初春は首を傾げながらサソリにカエル柄のバッチを見せた。
「......」
「なるほどな......無事に発動して良かった。点検するから見せてくれ」
「はい!」
不敵な笑みを浮かべながらサソリは初春から差し出されたバッチを手に取ろうとする。
「渡してはいけませんわ!!」
と白井が怒鳴るように叫んだ瞬間。
シャキン!
と黒い砂が巨大な刃物のようになりサソリの腕を肘から下を切断した。
「!?」
「えっ?!」
暁派閥のバッチは震えながら周りの砂を集めて初春を守るように拡がると棘を剥き出しにして威嚇するようによろけたサソリを見据えた。
「初春離れなさい!」
「な、何故ですか!?サソリさんですよ」
「サソリじゃありませんわよ!腕をご覧なさい」
「え、腕?」
と切られたサソリの腕がクネクネとのたうち回りながら断端から血を一滴も出していないのに気がついた。
「ひぃ......」
「誰ですの!?サソリに成り済ましてらっしゃるのは?」
白井は今まで見せた事がないほどの殺気を込めてサソリもどきを睨み付けた。
「......フフフ......冷静だね。やはり僕の計画に君達が邪魔になりそうだね」
サソリだったものは醜く歪み出して真っ白な体躯となり、白ゼツが姿を現わすと掌を横に向けると空間を曲がらせて渦を生じさせると手を突っ込んだ。
「!?」
歪んだ空間からゴツゴツとした手首から肘まであるスピーカーのような装置を巻いて白井達に突き出した。
「フフフ」
尋常ではない白ゼツの笑みに白井は背筋に冷たい物が走るが、確かめずにはいられない衝動に駆られていた。
「さ、サソリに何かしましたの?」
なおもニタニタが止まらない白ゼツ。
「答えなさいですわ!」
白井はテレポートをして白ゼツの斜め後ろに空間移動をすると回転しながら回し蹴りを入れた。
キィィィィン
しかし蹴りが入る寸前に白ゼツは反応して腕に巻いた装置を盾に受け切る。
「?!」
何やら耳がおかしいですわ
周りの環境音が一瞬だけ止んで、映像の音声データだけが破損したような感覚に戸惑っていると......
直後、鼓膜部分に音量MAXの打撃音が劈いて強烈な目眩と吐き気に襲われて口を抑えて一気に嘔吐した。
「げ、ゲェェ......ゲボ」
「白井さん!?」
立つ事さえままならない白井は必死に二本足で立とうと踏ん張っているが白ゼツは装置を持った手を振りかぶると一気に振り下ろした。
それに気付いた初春が懸命に呼び掛けるが頭がグシャグシャに掻き回
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