第十二幕その三
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「是非な」
「美味しいわよ」
「そこまでか」
「ええ、オムレツもカルボナーラもね」
「そしてゆで卵もか」
「そうなの、あとね」
こうしたこともお話したアンでした。
「生卵をそのまま飲む人もいるわよ」
「あっ、ボクサーの人ですね」
ジョージがすぐに応えました、五人はドロシーと一緒に試合を観戦しています。
「朝御飯に何個も飲みますね」
「映画であったね」
カルロスも言います、その映画を知っているので。
「それからランニングに出るんだね」
「あれはびっくりしたよ」
神宝もその映画のお話に入ります。
「まさかああして食べるなんてね」
「飲むというか」
ナターシャも不思議な感じだと言います。
「一気にお腹の中に入れるから」
「御飯にかけて食べるのならわかるけれど」
恵梨香は卵かけ御飯のお話をします。
「ああした食べ方は普通はしないわね」
「けれどそうした人もいるのよね」
ドロシーは五人にあらためて言いました。
「世の中には」
「そうですね」
「映画のことですけれど」
「真似した人も多いっていいますし」
「ああした卵の食べ方もありますね」
「そうなんですね」
「僕は恵梨香の卵かけ御飯もびっくりだよ」
トトが言うにはです。
「そんな食べ方もあるんだってね」
「外国の人はよくそう言うのよね」
「実際にそうだから」
まさにというのです。
「僕も恵梨香が朝御飯で食べるの見てびっくりしたよ」
「そうそう、あの食べ方もね」
「凄いよね」
「そんな御飯の食べ方あるのかって」
「お話は聞いていたけれど驚いたわ」
ジョージ達四人も恵梨香に言うのでした。
「暖かい御飯に生卵をかけてね」
「お醤油をかけて生卵と御飯をかき混ぜて食べるなんてね」
「他の国にはないから」
「そう、とてもね」
「ううん、美味しいけれど」
恵梨香は微妙なお顔になって言います。
「皆あまり食べないのよね」
「だから生卵自体あまり食べないから」
「お料理にはしてもね」
「そうして御飯にかけるなんてとても」
「想像も出来なかったから」
日本以外の国ではと言う四人でした、このことはどうしてもでした。
そうしてそうしたお話をしてです、アンはカリフ王に打ち返してから言いました。カリフ王も見事に打ち返します。
「私もそれはね」
「卵かけ御飯はですか」
「食べたことがないわ」
「そうですか」
「生卵もね」
それ自体もというのです。
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