暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
遭遇
[1/11]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
『オーディナル・スケール、起動!』

 結論から言えば、クラインが提案した儲け話というのは、やはりオーディナル・スケールのボス戦の参加だった。世界が塗り替えられていく光景を、ずいぶんとこなれた様子で見物しながら、生成された日本刀《銀ノ月》の柄を掴む。隣ではアスナやクライン、風林火山のメンバーも同じくARの装備となっていて、どうやら今日のステージは野球場のような――それにしてはやけに天井が低いが――スタジアムだった。。

「クラインさん、改めてありがとうございます」

「なぁに、良いってことよ。こっちとしても、頼りねーギルメンより役に立つしよ」

「頼りねーリーダーより、《閃光様》に指示された方がやる気も出るから、の間違いだろ?」

「うっせ!」

 風林火山の他のメンバーの野次に笑いが起きながら、内心ではもちろんクラインに感謝しておく。ボス戦の場所が直前まで分からないこの仕様では、いくら複数ボス戦があると言っても、足がない俺やアスナは参加できない。そこをクラインに車が送ってくれると進言してくれたため、なんとかボス戦に参加できていた。

「それでアスナよぉ。やっぱキリの字は来ないって?」

「えっと……キリトくん、やっぱりARは嫌いみたいで」

「ったくよー……ま、その分をプレゼントで驚かしてやりな。あ、ショウキはお前、終わったらなんか奢れよなー」

「善処する」

 あいにくとモチベーションが低いキリトがいないことを残念に思いながら、それでも俺もアスナもこの場にいる。《オーグマー》によって拡張された視界の端に映る、リズへのプレゼントが貰えるポイントまでは遥か遠い。

「ふふ。プレゼントを贈る人、増えちゃったかな。ね、ショウキくん」

「いやいや、奢ってもらうのはショウキにだけでよ……ん? でもアスナかショウキかからプレゼント貰えるなら、どっちか考えるまでも……」

「9時だ!」

 どうでもいいことで悩みだしたクラインを尻目に、残酷ながら時間は止まることはなく。時刻が9時――オーディナル・スケールにおいて、ボス戦の時刻を回る。天井が低いながら設置された観客席が光に包まれると、いつものマスコットを引き連れたユナが出現する。

『こんばんは〜! 今日は歌ってるところ近いから、私をちゃんと守ってね!』

「い、いや……それはいいけどよ。ユナちゃん、ボスはどこにいんの?」

『ん〜?』

 ユナが出現した観客席の近くにいたプレイヤーを代表して、虎頭のプレイヤーがバズーカの銃口を下げてユナに挨拶した。マスコットにマイクを持ってきてもらいながら、ユナは指を顎に当てて何か考え込むようなポーズを取った。

『もう、いるみたいだよ?』

「え?」

「――退がって!」

 ユナの含み
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ