東京湾岸倉庫街対ランサー戦
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りはない。
「それじゃあ、今から始めますよ」
「了解。
気をつけてね。絵梨ちゃん」
ヘッドマイクに作業開始を告げて、若宮分析官が返事をする。
一方で、米側の捜査員は周囲のクリアリングをしていた。
「周囲の状況、クリア」
「観測班配置完了。
ミス神奈に万一何かあったら即座に援護を」
「ラジャー」
何かやらかしたら、私ごと撃つつもりなんだろうなぁ。
そのあたりの米国の準備万端ぶりに苦笑しながら、私はダウジングロッドを取り出す。
オカルト番組なんかでよく取り上げられているから、離れて見ている捜査員も何をしているか分かるだろう。
こいつを頼りに倉庫街を歩くと、日米捜査員ではたどり着けなかった人払いの結界の前に立つ。
ダウジングロッドをなおして浄化の杖に持ちかえ、結界解除に取り掛かる。
アトラム・ガリアスタは中東の石油王の系譜ではあるが、魔術師としては新興魔術師でしかなく、その結界も難なく解けた。
その代わり、金に糸目をつけずに用意したらしい赤外線センサーが薄暗い通りに無数の線を張り巡らせていた。
「結界解除。
魔術的罠の存在はありませんが、通りに赤外線センサー類を確認。
無力化要員を送ってください」
「OK。ミス神奈。
工作班をそちらに向かわせます」
「お疲れ様。絵梨ちゃん。
通路が安全になるまで休んでいいわよ」
私は一旦通路から立ち去り、米国の工作員とすれ違う。
さすがに米国工作員は手慣れており、早くも作業に着手していた。
「監視カメラの存在があるな。
とりあえず電源を落としてみるか」
「周囲の回線の遮断もやってくれ。
自家発電に切り替えさせて、向こうのシステムの動きを知りたい」
「確認したが、アラーム系の罠で排除系の罠の存在はなさそうだ」
そんな声をヘッドマイク越しに聞きながら車に戻っていたはずなのだが、私は違う路地に入り込み目の前にはタイツ男。
コスプレだったらどれだけ良かっただろうとため息をつくが、相手の殺意と彼が持つ槍は多分本物だ。
「コスプレ会場はここじゃないですよ」
「マスターからの命令でな。
あんたを試させてもらう」
「ただの一般人をマスター呼ばわりするとは、貴方のマスター勘違いもはなはだしいですよ」
相手が槍を構えた。
来る。
「その時は口封じに殺すだけさ」
「ミス神奈。
右に飛んで」
相手が私を殺そうと迫る前に私は右に飛び、相手の踏み込みは私に聞こえた米国スナイパーの銃弾によって阻止された。
というか、なんで回避できるのかな?この人。
「周囲は完全に人を払ったはずだが?」
「空の上に払っていない目を見逃していたんで
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