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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
03.消えた希望
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。だからお願い……私を殺して』
これが彼女の最後の願いだ。最初はこのギルドに入ってくれという唐突なお願いだった。次はなんだっただろうか。彼女の願いは結局いつも断れなかった。それは多分、シュウが彼女のことが好きだったからだろう。
この世界でシュウに生きる意味を教えてくれた彼女の最後の願い。いつも無邪気な笑みを見せて俺の不安を吹き飛ばしてくれた彼女の最後の願い。
「わかったよ、ミサキ、ダイキ」
地面に落ちているミサキの槍を拾い上げ右手で持ち強く握りしめた。
「……シュ、う……最後、に……たの……みを、聞いて……くれないか」
掠れ、途切れ途切れの声でダイキ言葉を紡ぐ。
「おれ……も、み……サキも……痛いの……キライ……なん、だ」
無理矢理作った笑顔でダイキがこちらに微笑む。
「……わかった」
震える手を必死で堪える。《月音の槍》を両手で握りしめる。そしてシステムの起動が発動するよりも前にシュウは突進する。
「うわぁぁあぁぁぁぁぁぁっ!!」
絶叫の声とともに槍がダイキとミサキの身体を貫いた。
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二〇二三年五月十一日 第三十層・トラジェクス
──……俺は人を殺した。
───ボスではなく、人を殺した。
────あの時、俺がレベルを偽っていなければ彼らは死なずに済んだ。
─────俺のせいで彼らは死んだ。
──────彼らは俺が殺した。
───────…………俺が……殺した。
────────…………俺が……殺した。
シュウは視界に映るアイテム欄の上部を見つめた。そこにはギルドメンバーの共通タブが残っている。それは、ギルドメンバー同士がアイテムの受け渡しに使うタブだ。
ギルドメンバーの共通タブを確認するとそこには、見慣れない録音クリスタルがあった。
それを無気力に出現させる。六角形の球体が姿を現し、喪失感の中で押す。六角形が閃光を放ち、空中へと浮かび上がる。
───……みんなが残したものだろうな。
『よう、シュウ。これを聞く時には久しぶりになるのかな?』
「……ダイキ」
一日も経っていないはずなのにそれはひどく懐かしの声だ。もう二度と聞くことの出来ない少年の声だった。
『多分、そんなことがあったらいけねぇけどさ。これを聞く時には俺たちは死んでると思うんだ。だから、シュウに一人づつメッセージを残そうと思ってな』
「……あいつら」
目がじんわりと熱くなり、頬を伝いこぼれ落ちるものを感じる。
『まずは俺からだ』
しっかり者でいつも皆をまとめてくれたリーダーの少年の声だ。
『お前は優しいやつだよ。俺たちが困ってる時に絶
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