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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
03.消えた希望
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が光り、一瞬の内にショウタの身体を貫き、光の欠片とかし消滅する。

「……なんで、ミサキが」

「なぁ、シュウ、あれってミサキなのか……ボスなのか?」

 ダイキは絶望に満ちた顔をしている。二人が死に一人がボスに身体を乗っ取られたのだから。
 人形のHPゲージは視界には表示されていない。ミサキのHPゲージはしっかりと確認することはできる。つまり、彼女のHPとボスのHPは一緒ということを意味しているということだろうか。
 彼女を助け出す方法を思案する。しかし未知の敵のせいでどうしていいかが全くわからない。

「……なぁ、シュウ」

 考え込んでいるシュウにダイキの弱々しい声が鼓膜を振動させた。

「……お前は絶対にこのゲームを生き残って……この世界を終わらせろよな」

「……だ、ダイキ?」

 ダイキは震える手で片手剣を強く握り、盾を構える。そして震える声で呟く。

「なぁ、知ってたかシュウ。ミサキってああ見えて臆病なんだぜ。夜になると一人で泣いたりしてるんだ。なのにお前にはその姿をどうしても見せたくなかったらしい」

「……ダイキ、なにを?」

 このあとダイキがなにをしようとしているのか予想は出来た。
 ───行くな。
 それだけ言えばよかった。しかしそれだけの言葉が出なかった。
 手を掴んで止めればよかった。しかしそれでも身体が動かない。
 それ以外の方法を考える。しかし思考することさえも脳がやめようとしている。

「……後は頼んだぞ、シュウ」

 覚悟を決めたようにダイキが雄叫びをあげながらミサキに向けて駆ける。
 ダイキは仲間に刃を向ける。
 ……それも眼に涙を浮かべながら。
 ダイキの片手剣がミサキの槍を弾き飛ばす。だが、ミサキは……いや、ファントムソウルの右腕が黄金の刃をまといだした。それは手刀のようだった。それがダイキの腹部を貫いたのだ。

「グ……ハッ!!」

「ダイキッ!!」

 ダイキはHP徐々に減るなかで突き刺されなミサキの身体を抱きしめ動きを拘束した。

「……い、まだ。……俺ごと……突き……さ、せ」

「そんなの……」

 ───俺には、無理だ。

 目の前で人が死ぬところなどもう見たくない。それも仲間が死ぬところなどこれ以上……
 地面に落下するミサキの槍へと目を落とした。シュウが槍を使っていたからという理由でミサキは真似て片手槍を使っていた。その中のレアドロップアイテムの片手用槍《月音の槍》。

 ───俺には無理だ。こんなことなら……

『逃げるの、シュウ?』

 頭に直接語りかけてくるようなとても近くこの一週間聞き続けていた優しい声だった。

「…………ミサキ」

『これ以上、こいつの思い通りにされたくない
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