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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
03.消えた希望
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二〇二三年五月三日 第十五層・トラム
人があまりいない古風な雰囲気が残る店内。その一角の少し大きめの円卓を男女数人が囲んでいる。
「我ら、《希望》と助けてくれたシュウさんにカンパイ!!」
一人の少年がグラスを突き上げ、乾杯の音頭をとる。
「「カンパイ!!」」
「か、カンパイ……」
シュウも弱々しく持っていたグラスを上にあげた。あまりこのような人とワイワイ騒ぐのが得意ではないのでわずかに居心地の悪さを感じてしまう。
「ありがとうございました、シュウさん。危ないところ助けてくださって」
音頭をとった少年が腰から深々と曲げてお礼をいう。
「いや、そんなお礼されるようなことでもねぇからさ」
このようなお礼を言われるなどもあまり慣れておらず、どう反応していいかもわからない。
そもそもシュウがこのギルド、《希望》を助けたのもたまたまだ。転移結晶の節約のために徒歩で街へ帰還している最中にモンスターに襲われているギルドを助けた。それが今、目の前でシュウを歓迎しながら賑やかに騒いでいるプレイヤーたちだ。
助けてくれたお礼がしたい、と詰め寄られ断りきれなかったので少し嫌々ではあったが宴に参加することになったというのが現状だ。
ギルド《希望》───ギルドリーダーに片手剣使いのダイキ、後衛を任せられている槍使いのミサキ。前衛援護の短剣使いのハルキ、同じく前衛の片手剣使い、ショウタの四人で構成された小規模ギルドだ。
もともと現実世界で知り合いというわけでもなく気が合う仲間やダンジョンの中で助けた、助けてもらった者同士が集まったギルドらしい。
それにギルド名《希望》。それは誰もが持っている望み。こんな世界で、いやこんな世界だからこそ《希望》という名前をつけたのかもしれない。
シュウは微笑を浮かべながら、グラスに入った飲み物を口へと運んだ。
「つかぬことを聞くんですがシュウさんのレベルってどのくらいなんですか?」
唐突な質問にシュウは言葉に詰まった。
本当のことを言うべきなのだろう。だが、真実を言えば彼らはシュウの正体に気づいてしまうかもしれない。彼らともう少しだけ一緒にいたい。話がしたい。
そんな思いが俺に嘘を口にさせた。
「……三〇くらい」
「そうなんですか、十レベル違うだけでここまでの差ができるんですね。やっぱ実力の違いですかね」
この笑顔を見ると瞬時に罪悪感が襲ってる。
この時、シュウは皆に三つの嘘をついていた。
───攻略組だと名乗らない嘘。
───本当のレベルを言わない嘘。
───本心を隠した嘘。
「ねえ、シュウ君?」
後ろめたい気持ちが頭の中をグルグル廻るなか少女の声が聞こえた。うつむき気味だっ
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