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風魔の小次郎 風魔血風録
50部分:第五話 メッセージその八
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げた。
「そこを見てみな。そっくりの絵があるからよ」
「七巻の百二十ページ」
「蘭子さん、ここです」
 姫子が図鑑を持って来た。もうそのページを開いている。
「ここにある絵ですね」
「すいません、姫子様」
「ほら、見てみなよ」
 そのページの絵をまず指し示す。
「この絵の服は青だけれどあの絵のは」
「赤、ですね」
「それだけだよな」
 今度は誠士館の絵を指差しての言葉だった。
「そういうことさ。偽物なんだよ」
「じゃあコンクールは」
「こっちのものになるな」
 にこりと笑って姫子に告げる。
「何はともあれよかったよかった」
「ええ、確かに」
「あれは白虎の絵か」
 竜魔がここで蘭子の横に来て言った。
「白虎か」
「そうだ。夜叉八将軍の一人」 
 また八将軍だった。
「夜叉の中で最も他者の技を盗むことに長けているものだ」
「厄介な男だな」
「今回の戦いにも参加していた」
 彼はまだ彼が項羽に化けていることに気付いてはいない。怪しいと思ってはいても。
「項羽により戦線離脱したが。それでも置き土産はあったということだな」
「そうだったのか」
「だが。それも小次郎により潰えた」
 竜魔はそのうえでこう述べる。
「小次郎、よくやったな」
「まあ俺は違いがわかる男だからな」
「違いか」
 小龍は出入り口のところの壁に背をもたれかけさせていた。そこで小次郎達の話を聞いていたのだ。

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