0014話『鈴谷の悩み』
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けどーって感じなの」
「私も苦労しているんだねぇ…」
それで航巡の方の鈴谷が慰めていた。
それに鈴谷の言い分も分かる。
航改二にするためだけに一気に育てたのも私が先見の明が甘かったのも関係しているから苦労させているわけだし。
だからそんな鈴谷に諭すように、
「…でもな、鈴谷。多分だけど次の大規模作戦ではお前の出番ももしかしたらあるかもしれない…。
だけどそんな中途半端な状態で戦闘には出したくない。それで君がもし沈んでしまったら私はまた後悔してしまう」
「提督…」
「だからさ、今はまだ少し慣れないかもしれないけど軽空母としての艤装の練習、頑張っていかないか…?
もしなにかあったらすぐに私に愚痴りに来ても構わないからさ。今のうちはまだ先輩たちに甘えられるいい機会だしな」
「ううー…わかったよぉ。鈴谷、もうちっと頑張ってみる」
少し肩を下げて気落ちしながらも、鈴谷はそう言ってくれた。
それでよし!っと私は鈴谷の頭を撫でてやると鈴谷は気持ちよさげに顔を綻ばせた。
だけどそこで別の視線を感じた。
なにかと思ったら龍驤と瑞鳳が少しふくらっ面になりながらも、
「提督ぅ! 瑞鳳の事も褒めてよぉ!」
「せやで? うちらも鈴谷の育成を頑張ってしているんやからご褒美くらいは必要だと思うんや」
「はいはい。二人ともありがとうな。えらいよ」
それで二人の頭も撫でてやると鈴谷と同じく二人とも笑みを浮かべて喜んでいた。
「それじゃ頑張ってくれ」
と言って私と鈴谷は弓道場を後にする。
「提督、やるじゃん! 私や龍驤先輩たちの扱いとかも手慣れている感じだし」
「みんなの性格は大体は把握しているからな。それでも乙女心だけはまだわからないけど…」
「それは提督がおいおい理解していくしかないんじゃない…? ね、榛名?」
《はい》
鈴谷の問いかけに榛名はすぐに出てくる。
でも、
「なぁ、榛名。君っていつもどの程度私の行動を把握しているんだい…?」
《提督の行動なら考えていること以外はなんとなくですが把握できていますよ。
私と提督は心以外はもう完全に同化していますし…》
「そうだとするとなんか恥ずかしいな」
《提督も私の体であれこれできるんですからお相子ですよ。さっき、改二になって大人らしい体になった鈴谷さんに腕に抱き着かれていた時少し嬉しそうでしたし…》
「ばれていたか」
「提督、榛名の尻に敷かれちゃってるねぇ〜」
「言うな…」
そんな話をしながらも私達はそれから色んな所へと顔をのぞかせたのであった。
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