第一話 プラモデルと机の角
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残暑も過ぎ去った9月下旬のシルバーウィーク。高校3年生になった鳴上悠は自宅にて友人を待っていた。
今日は彼の親友である花村陽介とクマが連休を利用して八十稲羽から遊びに来る日である。彼もとても楽しみにしており、部屋の掃除や料理の下ごしらえなど、もてなす準備も完璧である。ちなみに他のメンバーは、天城は旅館の仕事、里中はその手伝い。完二は補習、直斗は仕事で警察へ、りせはPVの撮影らしい。
『ピンポーン』
時間になり玄関のチャイムが鳴る。
玄関の扉を開けると、当然だが陽介とクマがおり、手を上げて挨拶をする。
「よーう!悠!久しぶりだな!元気してたか?」
「クマ〜!センセ〜久しぶりクマ〜!」
「2人ともよく来たな。ていうか、夏休みには会ってたし、久しぶりというほどでも無いんじゃないか?」
「まあ、細かい事は気にすんなよ。とりあえず上がらせてもらってもいいか?」
「ああ、悪い。上がってくれ。」
「お邪魔しまーす(クマ〜)」
〜悠の自室〜
陽介「これが悠の部屋か。堂島さんのとこの部屋とはまた違った雰囲気だな。」
悠は皆を自室へと案内する。白を基調とした明るく清潔感のある部屋だ。ベッドに勉強机、テーブルに本棚、そしてその気になれば飛び込めるくらいの画面サイズのテレビが置いてある。
「まあ、置いてある物は大差ないがな。」
「センセ〜、荷物(主にクマ皮)はどこにおけばいいクマ?」
「そこの隅に置いといてくれ。」
「わかったクマ〜。
…オリョ?センセ〜、この船のプラモデルは何クマ?かっこいいクマ!」
そう言うとクマは本棚に飾ってあった軍艦のプラモデルを指差す。
「ん?ああ、それは最近作ったやつで『島風型 1番艦 駆逐艦 島風』っていうんだ。
受験勉強の息抜きに作ってみたんだが、思いの外複雑で苦労したんだ。」
というと悠はプラモデルを手に取りテーブルに置いて2人に見せる。
「へー、てかお前勉強しろよ…」
「志望校は既に模試A判定だ。」
「」
「ねぇねぇセンセ〜?この船に書いてある字は何て読むクマ?」
クマは船にプラモデルにペイントしてある文字を指差す。
「それは『疾風迅雷鳴上島風』と読むんだ。ハイカラだろ?」
「お前本当に受験生かよ…まあ…あれだ。オリジナリティーがあって結構かっこいい…かな?」
陽介は、そのペイントに、一瞬だが微妙な顔を向けるが、なんとかオブラートに包んだ当たり障りのない言葉で誤魔化す。
「だろう?まあ、ちょっとやり過ぎたかとも思ったんだが不特定多数に見せるわけでもないしな。」
そう言うと悠はプラモデルを手
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