2期/ヨハン編
K25 星月夜デュエット
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ナスターシャから聞いたことがある。
装者が纏うシンフォギアから流れる曲は、装者ひとりひとりによって異なる。切歌と調の曲のように、一部でも同じ旋律があるほうが珍しいのだと。
ならば、切歌の前にある光景は何だ?
どうして調とヨハンのギアから流れる旋律は全く同じものなのだ――!
切歌と調なら分かる。マリアとヨハンの組み合わせでも納得行く。だが、調とヨハンの聖遺物は、それぞれ神話体系から異なる、何ら共通項のない物だ。
それとも装者たちの相性が抜群にいい、などと言い出すのか。切歌よりヨハンのほうが、調にはパートナーとしてふさわしいと?
「認めるもんかデス――」
君を救い出したい
ふたりが同じ節を同じ詞で歌った瞬間、切歌の中で感情が爆発した。
「あたしのほうが、ヨハンよりずっとずーっと! 調が大好きなんデス!」
切歌はバーニアで乗速してヨハンに迫り、大鎌を薙いだ。
これに対し、ヨハンはバスタードソードで大鎌を受け止めた。
「ああ、知ってるさ……知ってるとも! 知ってるけど、僕だって調を愛してる! それに! 切歌も愛してるんだ!」
バスタードソードが大鎌を弾いた。切歌は勢いをあえて殺さず後退に使った。
払暁に泣き笑う眩い君
輪郭なぞり 手繰り寄せよう Sunshine
「堂々とフタマタ発言って男としてどーなんデスか!?」
「でも僕の正直な気持ちだ! 調を愛して、切歌を愛してる。二人に向ける愛はそれぞれ違う種類のものだけど、かけがえのなさは二人ともイーブンで、二人とも喪えないんだッ!」
ヨハンが本気でバスタードソードを握って迫ってくる。過去一度もなかったシチュエーションに息が停まりかけた。
「『キミを救い出したい 墜ちる災厄 跡形もなく焼いて』!」
バスタードソードを大鎌で受け流す。
切り結んで分かった。ヨハンは体力をセーブしている。
(消耗戦に持ち込む腹積もりデスか!)
悔しいが有効だ。イガリマは大鎌を自ら揮って戦わなければならないため、切歌自身の体力や筋力が大きく影響する。そして、大の男のヨハンより切歌のそれらはどうしても劣る。切歌の体力が底を突いた時に、ヨハンと調の二人がかりで攻められたら――勝てない。
(けど、そんなまどろっこい真似しなくたって、火なり閃光なりであたしを封じて捕まえればいいのに。何で二人ともバカ正直に真正面から戦うデスか?)
君の心 切なく歌う声 ちゃんと聴こえたよ……
マゼンタの丸鋸が飛来して思案を断ち切った。
切歌は内心慌てて、大鎌を回して丸鋸を受け、打ち落とす。
「っふ――!」
調の“百輪廻α式”だ。丸鋸は容赦な
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