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K's−戦姫に添う3人の戦士−
2期/ヨハン編
K25 星月夜デュエット
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く切歌を追い立てる。
 そう、容赦なく。
 ――泣きたかった。調の心はもう自分から離れてしまったのか。切歌は調を生かすために、こんなに必死に戦っているのに。調と戦うのも、ヨハンと戦うのも、本当はイヤでイヤで、ゴメンナサイをして二人に抱きつきたいくらいなのに。

「く、うぅっ…あああああああ!!」

 目尻に溜まった涙を振り切り、大鎌から“切・呪リeッTぉ”を打ち出した。調はそれらの刃を、ツインテールの鋸を盾に防いだ。

「『撃ち堕とせ』っ、く…『禍月も 宿命も』――」
「「『弱い自分も』…っ!!!!」」

 切歌は大鎌を逆さまに地面に突き立ててから、携帯注射器でLiNKERを首に打ち込んだ。

(もう――ここでキメちゃうデス!!)

 切歌は絶唱のメロディを口ずさんだ。

 ――イガリマの絶唱特性は「魂を刈り取る刃」。死神が末期に渡す引導こそが暁切歌の背負った切り札。

 大鎌の柄が伸び、緑のバーニアを噴かした時、切歌は大鎌に跨って高く舞い上がった。調の鋸もヨハンの炎弾も届かないほど、高く、高く。
 この高みから、二人を繋ぐ歌を完膚なきまでに断ち切る。そうすればきっと調もヨハンも分かってくれる。二人を守るためには切歌がこうしなければいけないのだと理解してくれる。

 バーニアの回転数を上げて、チャクラムの形態でもって調とヨハンを狙って急降下した。

「やああああああぁぁッッ!!!!」

 地上にいたヨハンが、調の高く掲げた丸鋸を踏み台に、跳んだ。

「 『君がいた記憶守れるのなら、この身 Stardust』 !!」

 激突する、緑のチャクラムとバスタードソード。当然、砕けるのはヨハンのアームドギアのほう――のはずだった。

 ヨハンを守るように、パープルライトで編まれた防壁が現れなければ。







 ヨハンは切歌とほぼ同時に着地した。
 魂を刈る鎌はヨハンのアームドギアも装甲も、ヨハン自身も傷つけていなかった。

「まさか、調デスか? フィーネの器になったのは調のほう――」

 切歌の呆然とした呟きによって、ヨハンの背筋を悪寒が這い上がった。

(マリアじゃないと安心して、切歌じゃないと安心して、最後には、調? 今度こそ、今度こそ本当に、僕は、一番大切な人を喪うっていうのか?)

「こんなあたしが、調とヨハンの間に入る資格なんてないよね……」
「切歌――?」
「ヨハン。あたしのこと好き? あたしがいなくなっても、『暁切歌』を忘れないくらい、好き?」
「大好きだよ。初めて会った日から、ずっと愛してた。これからもずっと愛してる。魂が燃えカスになろうが、僕は、君の面影を忘れない」

 切歌はボロボロと涙を流しながら、くしゃりと笑った。

 イガリ
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