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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
02.槍剣士とビーター
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コボルドロードがもがくのをやめ、立ち上がるべく上体を起こした。
そうするや否やイルファングは滑らかな垂直ジャンプのモーションに入ろうとしていた。
「させっ……かよ───ッ!!」
ここで《旋車》が炸裂すれば、戦況は一気に覆る可能性がある。
わずかに空中に跳び上がろうとしたその瞬間に右足で地を強く蹴り上げ、槍を肩より上まで掲げ跳び上がった。シュウの身体を誰かが背中を押すようし軽くなった。
───槍突進技、《エアストライカー》
《スピアレイ》より射程距離は短いが、上から突き刺すような突進に威力は格段に跳ね上がる。
ジャンプしようとするイルファングの腹部を槍の穂先が捉えた。
クリティカルヒットの激しいライトエフェクトにコボルドロードのスキルはキャンセルされる。
そこにアスナがシュウの横をすり抜け、渾身の《リニアー》が脇腹へと撃ち込まれた。
残りHPゲージは……一ドット。
コボルドロードは最後の悪足掻きをするようにカタナに閃光をまとわせた。
「お……おおおおおおおって!!」
だが、それよりも早くキリトが斬撃を描いた。それはV字の光の残光を描く。
───片手剣二連撃技、《バーチカル・アーク》
コボルド王の身体は唐突に力を失いその体に、無数のヒビが入っていく。
その直後、その体は幾千幾万のガラスの欠片へとなり。四散した。
「や、やったぁぁぁ!!」
その場にいた全てのプレイヤーたちが歓喜に満ちた声を上げる。
部屋を覆っていた薄闇が一気に払拭され、不思議と心地よい風が吹いてるいうに感じた。
───ついに俺たちは倒したんだ。
安堵感に襲われたのかシュウの身体は急に力が抜け、崩れ落ちていく。倒れる寸前で誰かが支えてくれた。先ほど助けてくれたエギルだった。
「大丈夫か? あまり無理はするなよ」
「わ……るいな。ちょっと立ちくらみが」
自らの足で立ち上がりキリトたちの元へと向かった。
「お疲れ様」
「見事な剣技だった。この勝利はあんたのもんだ」
「やっぱ……オメェは最高だな」
「いや……」
キリトが否定しようとするも、他のプレイヤーたちは、そうだ、と声をあげ、讃えるように拍手をする。
だが、その空気を遮るような声が部屋に響き渡った。
「なんでや!! なんで、なんでディアベルはんを見殺しにしたんや」
密閉された空間でその声は反響し、見殺しという言葉がシュウたちへと重くのしかかってくる。
「……見殺し?」
「そうやないか!? 自分はボスの使う技知っとたやないか!? 最初からあの情報を伝えとったら、ディアベルはんは死なずにすんだんや!?」
キバオウの心からの叫びに何も言い返すことができない
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