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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
02.槍剣士とビーター
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ルの発動のディレイ時間が片手剣の消滅により、一種のバグに近い現象を起こし、無効化される。
それによりコボルドロードのスキルモーションよりも早くシュウの体は動き出した。
片手用槍が緋色の閃光をまとい、突進しようとするコボルド王の身体を貫いた。一瞬、槍の穂先が三つに分裂したかと錯覚するほどの高速の突き攻撃。
───槍三連撃技、《ファランクス》
ソードスキルをキャンセルされたイルファングは憎々しげにこちらを睨みつけ野太刀を上段からの振り下ろし、《幻月》だ。回避しようとするがディレイによって身体は動かない。
「ヤバッ……!」
一撃で消されないくらいのHPは残ってはいるが、《幻月》は連撃へと繋げるための布石でしかない。自分のHPが削り取られないことにかけて衝撃に備えたその時だった。
「でりゃぁぁぁ!!!」
当たる寸前に野太い雄叫びとともに野太刀が真上に弾かれた。巨大な武器が緑色の閃光が撃ち込まれた。
───両手斧系ソードスキル、《ワールウインド》
野太刀の衝撃と両手斧が激突するとともに部屋全体が震えるほどのインパクトが生まれ、コボルド王が大きく後退する。
「回復するまで俺たちが支えるぜ!」
「……あんた」
斧使いのエギルたちのレイドだ。
コボルドロードがエギル達の攻撃を跳ね除け、垂直ジャンプ。野太刀と己の身体を捻り巻き絞っていく。
───全方位攻撃、《旋車》
「危ない!!」
ポケットから取り出したポーションを流し込む。低級ポーションでは回復するのにかなりの時間がかかってしまう。しかしそんなことお構いなしに反射的に動いた。
キリトが床を蹴りつけ、上空へと飛び出した。
───片手剣突進技《ソニックリープ》
片手剣が、鮮やかな黄緑色の光をはなち、行く手では、ジャンプの頂点にいたイルファングの巨体を捉えた。空中でぐらりと傾いき、そのままソードスキルを発動させず、床へと落下してくる。
「ナイスだ、キリトッ!!」
地上へと落下してくるコボルドロードの位置へと先読みしたシュウは地上で槍を後方へと引き絞り、鮮やかな閃光をまとう。
───槍突進技《スピアレイ》
完全にバランスを崩したイルファングには槍の光線を回避する手段など存在しなかった。
「……さっきのお返しだ」
溜めこまれた槍は床に着く寸前のコボルドロードの身体を貫き、その巨体を吹き飛ばした。
「ぐるうっ!」
喚き、立ち上がろうとするが手足をばたつかせた。
この瞬間を狙わずしてどこで勝負を決める!!
「アスナ、最後の攻撃一緒に頼む!!」
「了解!!」
キリトとアスナが最後の攻撃をかけるために駆けだした。
敵のHPは残りわずかで赤々と輝いている。
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