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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
02.槍剣士とビーター
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 日焼けしたというよりは素で黒いガタイのいい身体。坊主のプレイヤーが手を上げ立ち上がり、キバオウの元へ向かう。キバオウに比べて身長はかなり大きい。日本人ではないようだ。

「俺の名前は、エギル。キバオウさん、あんたの言いたいことはつまり、元βテスターが面倒を見なかったからビギナーがたくさん死んだ。その責任をとって謝罪、賠償をしろということだな」

「そ、そや」

 エギルの迫力にキバオウが少し後ろに引く。

「このガイドブックあんたももらっただろ」

 エギルはこげ茶色の本を取り出す。

「道具屋で無料配布してるからな」

「もろたで、それがなんや!」

「これを配布していたのは、元βテスターたちだ」

 皆が少しざわつく。

「いいか。情報は誰にでも手に入れられたんだ。なのにたくさんのプレイヤーが死んだ。その失敗を踏まえて俺たちはどうボスに挑むべきなのか、この場で論議されると俺は思っていたのだがな」

 あたりの空気はβテスターを敵視するような感じではなくなった。キリトは少し安堵の笑みを漏らす。
 キバオウは不満げな顔をして石段に座り込む。エギルも元いた場所へと戻る。

「よしじゃあ、再開していいかな。ボスの情報だが先ほど例のガイドブックの最新版が配布された。それによるとボスの名前は、《イルファング・ザ・コボルドロード》、それと、《ルイン・コボルドセンチネル》という取り巻きがいる。ボスの武器は斧とバックラ。四段あるHPバーの最後の一段が赤くなると曲刀武器のタルワールに攻撃パターンも変わる」

 βテストの時に第一層ながらかなりの苦戦を強いられたボスの一体だ。

「攻略会議は以上だ。アイテム分配は、金は全員で均等割、経験値はモンスターを倒したパーティーのもの、アイテムはゲットした人のものとする。異存はないかな?」

 ディアベルは確認を取るためにあたりを見渡す。誰も否定する感じでもなかった。

「よし、明日は朝十時から出発する。では、解散!」

 周りのプレイヤーが一斉に立ち上がり解散する。赤いマントのプレイヤーも何も言わずにその場を立ち去っていった。


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 二〇二二年十二月三日 第一層・森のフィールド


 ついに第一層のボス攻略が行われる日。
 迷宮区の最深部にあるボス部屋へと攻略会議に集まった複数のレイドが向かっていく。
 その最後尾にシュウたちはついていく。キリトが今回の作戦についての役割を再度確認するように口にする。

「確認しておくぞ。あぶれ組の俺たちの担当は、ルイン・コボルトセンチネルっていうボスの取り巻きだ」

「わかってる」

「シャクだけどな」

 三人という少人数パーティ
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