第七話 プラウダ戦を見ます! その2
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
正確に言えばいかにも勢いに押されているかのような行動を執っていた。それでも撃破される車輌が出た。
『85六号車撃破されましだぁ〜!』
「チッ……!全車、フラッグを護衛しつつ目標地点まで後退!」
『了解しただぁ!』
「レーナ、後退!ミーシャ、撃て!」
「りょ〜か〜い!」
「了解」
キューポラから上半身を出しながら、次から次へと指示を出していく中でアンナは、思わず笑ってしまった。
「見つけた……!」
姉の仇であり、この試合の敵の隊長、自分こそが奴を直接叩き潰さなければならないと心に決めた敵……
「見つけたぞ……!……西住みほ……!」
思わずターニャに榴弾を込めるよう命令しそうだったところを、何とか抑え込みカチューシャから与えられた任務を遂行することに集中した。
さっきまでの熱気はどこへやら、歓声ではなく悲鳴に近い声が観客席から上がっていた。
カチューシャの作戦は成功した。
フラッグ車を囮に廃村へ大洗の戦車隊を誘い込み、隠蔽をほどこし待機していた本隊をもって包囲殲滅しようとしていたが、勝利を確信したカチューシャの気まぐれで、あえて教会のような建物に立て籠もるように誘導、完全に包囲、降伏勧告を出し、三時間の猶予を与えた。
「直ちに攻撃命令を出してください!!」
アンナはカチューシャに向かって怒鳴りながら言った。出会いがしらにいきなり怒鳴られたカチューシャは思わず隣に居たノンナの背中に隠れてしまった。
「ア、アーニャ…!お、落ち着いて……!」
「カチューシャ隊長!攻撃命令を直ちに全車輌へ発してください!!」
「ひぅ……!」
カチューシャが落ち着くように言うが、アンナはそれを無視しさらに大きな声で怒鳴った。
「同志アーニャその辺にしといてください」
「ノンナ副隊長………何故、三時間という長い猶予を与えたのですか!?」
カチューシャを守るように前に出てきたノンナ、そのノンナに詰め寄りながら三時間という長い猶予を与えた理由を聞こうとした。
「それはですね……カチューシャ、少しアーニャと話してきますね。アーニャこっちへ」
ノンナはそう言うと近くの民家に中に入って行き、アンナもノンナの後について行き民家の中へ入って行った。
残されたのは不安そうな表情をしているカチューシャだけとなった。
「それで理由は何なんですか?」
「そう焦ってはだめですよ?同志アーニャ」
「焦ってなどおりません。同志ノンナ副隊長」
二人の間にはピリピリとした空気が流れていたが、ノンナがふぅ……と小さくため息をしたと同時に非常に穏やかな空気に変わった。
「簡単な理由ですよ。カチューシャがお
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ